燃費は圧倒的にディーゼルだがガソリン車の完成度は高い
今回、比較として同じゴルフ・ヴァリアントの「マイスター」モデルで、ガソリンエンジン仕様も帯同させた。ガソリンエンジンは1.4リッター直4ターボのTSI仕様で、最高出力は140馬力/4500〜6000rpm、最大トルク250N・m/1500〜3500rpmとなっている。トランスミッションは同じく7速のDSGだ。
ガソリン仕様に乗り換えて感じたのは、予想以上にその仕上がりがいいということだ。最新のディーゼルエンジンに対して出力スペック的にも不利なはずなのに、走り出すと軽快なハンドリングとエンジンのドライバリティの良さが際立っている。高速区間ではレッドゾーンの6000rpmまで気持ちよく吹き上がり、トルクの頭打ち感が少ない。
そうか、欧州ではディーゼルゲート事件でディーゼルエンジン車の販売が大きく落ち込んだ。それを補う為にガソリンエンジン車の走行フィールを圧倒的に高めた、ということか。ゴルフ7としてモデル末期を迎えているという熟成された完成度の高さもあって、ガソリンモデルの仕上がりの高さは際立っているわけだ。
高速区間の燃費は11km/Lほど。猛暑のためエアコンを使用しつつ市街地中心の短距離試乗であったこと、かつWLTCモード燃費が公表されていないのでスペックの比較はできないが、試乗ルート全体で燃費計が示していたのは、ディーゼルモデルが13.5km/Lほどであるのに対してガソリンモデルは9.9km/Lほどだった。ハイオクガソリンを使用するガソリンモデルと軽油のディーゼルエンジンでは燃料代の差も大きい。走りを取るのか燃費を取るのか、ゴルフの購入希望者は大いに悩むことになりそうだ。