急発進・急ブレーキ・急ハンドル! クルマの運転で「急の付く動作」の違法性と境目とは (1/2ページ)

道路交通法第24条で急ブレーキが禁止されている

 よく燃費に良い運転や雪道など滑りやすい状況での安全ドライブには「急の付く動作はやめよう」という。急ブレーキ、急発進、急加速、急ハンドル……などなど“雑な運転”は百害あって一利なしですよという戒めだが、そうした急の付く運転は違反行為でもあるという。果たして、どのような違反に問われるのだろうか。

 アクセル、ブレーキ、ハンドル操作それぞれに急の付く運転はできるが、道路交通法で明確に禁じられているのは「急ブレーキ」だ。道路交通法第24条に急ブレーキの禁止が明記されている。『危険を防止するためやむを得ない場合を除き(中略)急ブレーキをかけてはならない』と書かれている。危険を防止するというのは、衝突や路外逸脱などの事故を回避するための運転と理解できるので、基本的には後方の車両を驚かせたり、追突につながったりするような急ブレーキを禁止するという狙いだろうが、法律というのは文言をそのまま理解するものだ。この第24条がある限り、単独走行中の急ブレーキも禁止といえる。

急の付く動作

 ただし、急ブレーキと書いてあるだけで減速Gなどの規定があるわけではないため、違反運転なのかどうかは現場の警察官などの判断によるところになろう。一説にはABSが作動するような操作は急ブレーキともいうが、雪道などではゆっくりとした減速でもABSがガガガッと作動するわけで、ABSを基準に急ブレーキと判断するというのが基準となることは考えづらい。いずれにしても急ブレーキは道路交通法で明確に禁止されているのは間違いない。しかしながら“やむを得ない場合を除き”という条件があるのも事実。危険回避のために急ブレーキをかけることを躊躇する必要はない。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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