ショーのメインが三菱のOEM車……インドネシアで苦戦する日産の現状 (2/2ページ)

日本と同様に売れる車種も大きく偏っている

 また事情通氏は「日産で売れているのは、この新型リビナとエクストレイルぐらいしかないのです」とも話してくれた。現地の日産のウェブサイトを見ると、日本国内ほどではないが。SUVではジュークやテラ(新興国専売モデル)、そしてナバラ(ピックアップトラック)、さらにセレナとエルグランド、マーチもラインアップされているが、販売車種は極端に偏っているというのだ。

 こんな話どこかで聞いたような……と思ったら、日本でも売れ筋はデイズシリーズ、ノート、セレナに特化されている。販売車種の偏りは別としても、この新型リビナがインドネシアでの日産の救世主になるかといえば、「普通に考えればエクスパンダーを買うでしょう。そもそも日産のブランドパワー自体も弱いですし」(事情通)。日本の新車販売セールスマンはOEMの販売には消極的なひとが多いとも聞くが、インドネシアでも事情は同じのようである。

 日本人から見れば、あの日産が三菱からのOEMをメインに車両展示している姿は非常に痛々しく見えてしまうし、インドネシアの消費者の皆さんからは、「うちの国の扱いはそんな程度なのか」と見られたとしても文句は言えないであろう。

 インドネシアは非常に親日的な国であり、クルマだけでなく日本製品に対する信用やリスペクトはハンパではない。新車販売では日本車のシェアは9割を超え、“日本車最後の楽園”ともいわれている。そんなインドネシアのオートショー会場でOEMをメインに展示するのは少々“おもてなし”に欠けるような気もするが、現状を直視すれば、なりふり構わず、大ヒット車にすがりたいという気持ちが現れているのかもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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