売れるから「ハイブリッド」と名乗りたいだけ? モーター感のない「マイルドハイブリッド」に意味はあるのか (2/2ページ)

発進時のわずかな補助でも排気量の小さいNAエンジンなら効果大

 それでも、加速時にモーターの補助力が得られれば、燃費を改善できる。クルマの走行でもっとも燃費が悪化するのは、発進時だ。1~2トンの重さのクルマを動き出させるには相当な力が必要で、瞬間燃費計を参考にすると、軽自動車でさえ発進時には燃費が一桁になる。発進停止が多い都市部では、発進でまだ回転が十分に上がらず出力の出にくいエンジンに、モーター補助が加わることでの燃費改善効果は大きい。

 さらに、加速の際にもモーターの力を追加することで、エンジンの燃料消費を抑えることができる。ことに軽自動車の自然吸気エンジンでは、再加速のときなどでも不満なく速度を上げられるようになる。

 またアクセルペダルを戻した減速の際に集中的に発電に切り替え、十分な電力をバッテリーに充電できることにより、発電のためのエンジン稼働(燃料消費)をなくすことができれば、これも燃費向上に効果的だ。

 ことに欧州では、2年後の2021年から二酸化炭素(CO2)排出量規制が厳しくなる。さらに30年には35%以上の削減を求められることが決まっている。そのような厳しいCO2排出量規制(実質的な燃費規制)に対処するうえで、まずはより安価に実現できるマイルドハイブリッドの普及が欧州では進められている。

 日本では、軽自動車のなかでスズキが燃費性能で先頭に立つのも、マイルドハイブリッドを率先して普及させてきているからだ。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

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乗馬、読書
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