売れるから「ハイブリッド」と名乗りたいだけ? モーター感のない「マイルドハイブリッド」に意味はあるのか (1/2ページ)

発電機は燃料消費の抑制やバッテリー充電の役割を果たしている

 マイルドハイブリッド車は、モーター走行がなく、あえて購入した意味を運転感覚からは実感しにくいだろう。電動化の効果を体感したいのであれば、ハイブリッド車以上の電動化技術が投入された車種を選ぶべきである。

 マイルドハイブリッド車で使われている電動化機能を象徴するのが、モーター機能付き発電機と呼ばれる部品だ。もっとも単純なものとしては、軽自動車にも使われスズキに代表されるISGという部品で、エンジン車に搭載されてきた交流発電機に駆動機能を追加し、バッテリー容量を増やした装置だ。

 スズキの場合、従来からの鉛バッテリーのほかに、リチウムイオンバッテリーを軽自動車にも追加することにより適切な性能を実現できるようにした。

 このモーター機能付き発電機の働きは大きく2つある。1つは、電気を使ってモーターのように駆動力を発揮することだ。2つ目は、発電機として電気を生み、これをバッテリーに充電することである。その際には、発電機能をより高め、クルマが減速するときを中心にした発電でクルマで使われる電力を十分に充電できるようにしている。

 まずモーター駆動では、もともと交流発電機であった部品に、駆動力を出させる機能を追加しているため、それほど出力が大きいわけではない。スズキの軽自動車用で、2.3kWだ。メルセデス・ベンツの場合で16kWである。

 これに対して、フルハイブリッドとなるトヨタ・アクアのモーターは45kWある。スズキの軽自動車では、クリープ時にモーターで動く部分はあるものの、マイルドハイブリッド車のモーター機能付き発電機がモーター走行するのが目的でないことは、出力値の比較からうかがうことができる。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

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乗馬、読書
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