うまく活用すれば燃費の向上にもつながる
また、最高速度120km/hの高速道路区間で、ACCを120km/hにセットして走っている場合、その先で制限速度が100km/h、80km/hになっても、自動で設定速度ダウン操作はしてくれない。場合によっては即、スピード違反になるから、要注意。その都度、設定速度を変更する必要があることも、覚えておきたい。
基本的に高速クルーズ、とくに高速道路上の渋滞時に威力を発揮してくれるACCだが、じつは、車種によって実力が大きく異なるのも事実。その一例が、料金所のゲートをくぐったあとや、追従している前車が車速を落とし、レーンチェンジしたような場面での、再加速性能だ。輸入車の多くは再加速性能に優れ、BMW 5シリーズなどはかなりの勢いで再加速してくれたりする。スバルのアイサイトも不満のない再加速性能の持ち主だ。
一方、ホンダ車の一部、たとえばステップワゴンのACCは、再加速性能がもっさりすぎて、追従している前車が速度ダウン後の再加速、高速道路の料金所をくぐったあとの再加速など、追突されやしないかと、ひやひや。オデッセイになると、再加速性能に大きな不満はなくなるのだが……。
最後に、ACCの隠れた実用性を紹介したい。これはあくまで個人的なデータだが、長距離走行でACCを使うと、燃費が10%ぐらい伸びたりするのだ。愛車でよく出掛ける、東名高速・東京~御殿場間の実燃費は、ACCを使わないとどんなに走行条件が良くても18km/Lに届かないのに、ACCを入れっぱなしで走ると20km/Lを超えることがある。
この理由は明白。自身でアクセルコントロールするより、ACCまかせで最適かつスムースに加減速しているほうが、燃料消費が少なくて済む……ということだろう。
これからのクルマは、2020年から新車装着が義務化される自動ブレーキはもちろんだが、高速走行をする機会の多い人にとって、制御に優れたACCとレーンキープ機能、そして高速レーンチェンジ時の接触事故を未然に防いでくれるブラインドスポットモニターは不可欠と思っている。