放熱性が悪く利きの安定性ではディスクに劣る
ドラムブレーキには、
・良く利く=制動力が高い
・シンプル
・軽量
・製造コストが安い
という優れたメリットがあり、この点では、いまでもディスクブレーキに勝っている。しかし、その構造から熱がこもりやすく、放熱性が悪く、加えてサーボ作用が裏目に出て、ブレーキの利きが安定しづらく、フィーリング面でもディスクブレーキに見劣りするという短所もある。
一方、ディスクブレーキは熱に強く、利きが安定しているのが強み。水をかぶっても影響が少なく、メンテナンス性もいいので、高級車やスポーツカー、重量の重い大型車のブレーキに採用されている。ただし、コストが高く、重量が重いというデメリットもあるので、すべてのクルマに向いているというわけではない。
ドラムブレーキというと、なんとなく古くて安っぽいイメージがあるかもしれないが、それは事実でもありメリットでもある。だからこそ、車重が軽い軽自動車や、リヤへの荷重が小さいコンパクトカーのリヤブレーキには、上記のメリットがあるドラムブレーキが最適で、ディスクブレーキ、ドラムブレーキ、それぞれの長所を活かして、性能&価格的にバランスが取れるよう組み合わせるのが、かしこいメーカーの仕事といえる。
そういう意味で、当面、ドラムブレーキが姿を消すことはないだろう。