ディスクのほうが性能が良さそうなのになぜ? 最新のクルマから「ドラムブレーキ」がなくならないワケ (2/2ページ)

放熱性が悪く利きの安定性ではディスクに劣る

 ドラムブレーキには、

・良く利く=制動力が高い
・シンプル
・軽量
・製造コストが安い

 という優れたメリットがあり、この点では、いまでもディスクブレーキに勝っている。しかし、その構造から熱がこもりやすく、放熱性が悪く、加えてサーボ作用が裏目に出て、ブレーキの利きが安定しづらく、フィーリング面でもディスクブレーキに見劣りするという短所もある。

 一方、ディスクブレーキは熱に強く、利きが安定しているのが強み。水をかぶっても影響が少なく、メンテナンス性もいいので、高級車やスポーツカー、重量の重い大型車のブレーキに採用されている。ただし、コストが高く、重量が重いというデメリットもあるので、すべてのクルマに向いているというわけではない。

 ドラムブレーキというと、なんとなく古くて安っぽいイメージがあるかもしれないが、それは事実でもありメリットでもある。だからこそ、車重が軽い軽自動車や、リヤへの荷重が小さいコンパクトカーのリヤブレーキには、上記のメリットがあるドラムブレーキが最適で、ディスクブレーキ、ドラムブレーキ、それぞれの長所を活かして、性能&価格的にバランスが取れるよう組み合わせるのが、かしこいメーカーの仕事といえる。

 そういう意味で、当面、ドラムブレーキが姿を消すことはないだろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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