トルクは基本的に排気量に比例する
エンジンの性能を比較するのに気になる数字といえば、パワー(出力)とトルク。どちらかというと、トルクよりパワーの数字を気にする人の方が多いだろうが、エンジンは発する力は、軸=クランクシャフトを回す力として現れるので、エンジンの回転力=トルクこそが、エンジンの力、粘り強さと考えればいい。
もう少し詳しく説明すると、エンジンがある回転数で回っているときに、どれだけの力でクランクシャフトを回しているのかを示すのがトルク。単位は「kg-m 」で、クランクシャフトから長さ1mの棒を出して、その先端に吊り下げた1kgの重りを回転させる力(軸をねじる力)が、1kg-mというトルクになる。
トルクは基本的に排気量に比例する。単純にいえば、1リッターのエンジンならで10kg-mぐらいがひとつの目安。2リッターで20kg-m、3リッターなら30.0kg-mといったところ。これがターボ車となると、タービンの力で強制的に吸入空気量を増やすので、実質的に排気量が増えたことになり、トルクも太くなる。2リッターのエンジンでもターボでブースト(過給圧)が1.0㎏かかれば、4リッタークラスの吸入空気量に匹敵し、トルクも2倍近くになる。
そしてその最大トルクを、比較的低回転域で発生させるエンジンはトルク型エンジンといわれ、回転数が変化してもトルクカーブがなだらかなエンジン=フラットトルクのエンジンは、いつどこでアクセルを踏んでも、スムーズに加速してくれるので乗りやすく、ATとの相性もいい。