日産ノートが首位陥落! トヨタRAV4がSUVトップの可能性! 異変の新車販売ランキングの裏に見えるものとは (2/2ページ)

C-HRからRAV4に客が流れてヴェゼルがSUVの1-6月トップに

 カテゴリー別で見ると、SUV販売台数ナンバー1の座を、ホンダ・ヴェゼルがトヨタC-HRから奪っている。直近の2018事業年度締め年間販売台数(2018年4月~2019年3月)では、C-HRが約1.2万台の差をつけてSUV販売トップとなっているので、わずか1224台差とはいえ2019暦年締め上半期ナンバー1になったのは、ヴェゼルが猛追したかのようにも見えるが、それよりもトヨタRAV4の存在が大きいといえよう。

 RAV4は4月10日、22年ぶりに日本国内で新型がデビューし復活している。発売1カ月後には約2.4万台のバックオーダーを抱えるなど、ヒットモデルとなっている。2019年事業年度に入ってからは、月販平均約6000台で推移。2019年4月~6月の累計販売台数では、ヴェゼルに2507台の差をつけている。月販平均で約835台もすでに差がついており、2019事業年度締め上半期販売台数ではRAV4がSUV販売台数トップになる可能性が非常に高まっている。つまり、C-HRから同じトヨタであるRAV4へお客が流れてしまった結果、C-HRの販売台数に勢いがなくなってきたといえるのだ。

 前述したプリウスとRAV4の弱点はバックオーダーを抱えていること。プリウスの納期目処は受注してから2〜3カ月程度、RAV4はガソリンが2カ月程度、ハイブリッドが3~4カ月程度となっているので、販売店在庫などがないため自社登録での販売台数の上積みというのがほとんど期待できない。

 プリウスからのトップ奪取を狙うノートは、とくにガソリン車では在庫状況に余裕があるとされており、自社登録での販売台数上積みを積極的に展開してくるだろうから、プリウスが事業年度締め上半期でもトップを維持するかはかなり微妙ともいえるだろう。

 一方でRAV4がSUV販売台数トップになる可能性は、すでにヴェゼルに約2500台も差をつけておりかなり高まっているといえよう。8月はディーラーもお盆の時期に長期休暇に入る。夏休みムードが蔓延するなか、稼働日数も少なくなるので、このようなときにはバックオーダーを抱えるモデルのほうが有利となる。

 自販連統計は当該月の登録台数でカウントされる。長期休暇が月の中盤になるお盆の時期にもなるので、もともと少ない新規受注車を受注月内に登録するのはかなり厳しい。そのためこのような時期にはRAV4のようにバックオーダーを多く抱えるクルマ(業界では受注残車両などと呼ぶ)は、その受注残台数のことを“貯金”などとも呼ぶという。各セールスマンやディーラーでは、受注残車両の存在がノルマ達成のカギを握ってくる(受注残車両を何台登録させることができるか)ので、8月はヴェゼルよりRAV4が優位に立っているともいえる。

 そして、ヴェゼルほどの高額車両では闇雲に自社登録し、その後登録済み未使用中古車として流通させるのも、コスト面などを考えるとなかなかできないので、その点でもRAV4が有利といえるのである。軽自動車に関してはN-BOXの常勝はほぼ規定路線となるので、今後9月までの新車販売では登録車の動きに注目することをおすすめしたい。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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