F1でさえ人気が下落するなかで観客動員を増やしている!
スーパーGTの人気の高まりっぷりはすごい。今年5月に富士スピードウェイで開催された第2戦は予選・決勝の2日間で述べ9万人を超えたなど、観客動員数は年々増加し続けている。
筆者は2013年シーズンよりGT300に参戦するSUBARUチームの応援団をやらせていただいているが、毎年全戦観戦することにより、スーパーGTの魅力にすっかりハマってしまった。
スーパーGTが面白いと感じる要因は多岐にわたるが、最大の魅力は「予想外の結果となるレースが極めて多い」ことに尽きる。その理由として、まずGT500とGT300という大きな性能差のある2つのクラスが混走することで、常に不測の事態が起こりやすい状況が続くのがポイントだ。
単純に追い抜き、追い抜かれるシーンがどのレースよりも圧倒的に多く観られるので、マニアからレース観戦初心者まで、片時も目が離せない展開となる。接触事故も多いことから、赤旗中断やセーフティカーが運用される場面が多い。トップグループがまさかの落とし穴にハマったり、下位のマシンが思わぬチャンスに恵まれる機会も多いため、上位にいてもアッサリ転落することもあれば、まさかの下克上も十分あり得るというわけである。
また、GT300クラスでは多種多様なマシンが競うところも面白さを増すポイント。排気量やエンジン形式、エンジン搭載位置など、基本的な成り立ちがまったく異なるマシンが入り乱れるレースは稀有な存在といえる。規定で同じ馬力になるように調整されるとはいえ、排気量の大きさや電動モーターの有無により出力特性は異なるので、走りの質もじつにさまざま。
たとえばSUBARUのBRZは水平対向2リッターターボ、LEONレーシングのAMG GT3は6.2リッターV8のNAで、同じFRレイアウトでもマシンの素性はまったく異なる。BRZは排気量が小さい分トルクでは不利だが、エンジンは軽量コンパクトでコーナーでは速く、AMG GT3は大排気量なのでトルクが厚く直線で有利となるなど、それぞれの強みと弱みが異なるところも面白さを増している。
タイヤメーカーも、BS、YOKOHAMA、ミシュラン、ダンロップらが凌ぎを削り、それぞれの強みと弱み、マシンとのマッチングがレース運びを大きく左右している。