適度にスポーティな足は日本の道でも走りやすい
エンジンは、我が家のDS3と同じ3気筒の1.2リッターダウンサイジングターボを、ちょいアップデートしたバージョンで、最高出力は110から130馬力に向上している。ミッションは、ウチのはアイシン製の6速ATだけど、クロスバックは同じくアイシン製の8速AT。負けた……。
走りだすと、うひ~、パワステが軽い! しかもステアリングは小径の楕円タイプ。小指一本で回せるどころか、溜め息を吹きかけるだけで回せそうよジュテーム。これがパリのエスプリってやつ?
足まわりは、割とフツーな感じです。同じDSのDS7クロスバックは、かつてのハイドロシトロエンを超えるフニャフニャなソフトさで、シトロエンファンに随喜の涙を流させましたが、DS3クロスバックは、固くもなく柔らかくもなく適度にスポーティ。ちなみに我が家のDS3は、シトロエン系としては足がウルトラスポーティ過ぎて、乗り心地の固さに苦しんでおります。それと比べるとこれくらいがちょうどいいかも。コーナリング中も姿勢は安定しております。
一方、パワーアップしたはずの動力性能は、なんだかどうも重ったるい。ウチのDS3は、アクセルを軽く踏んだだけでビューッっと空飛ぶみたいに痛快に加速すんだけど、クロスバックは100キロ重いせいか、はるかに鈍重だ。排ガス対策の強化で燃料噴射圧が高められ、音もディーゼルっぽく「グゴゴゴゴゴ~」みたいな感じで、いまひとつオシャレじゃない。
しかしまぁ、アクセル踏めば問題なく加速するのでいいでしょう! こういうクルマはオシャレなことが何より大事で、あとはフツーに走ってくれりゃそれでよかです!
ちなみに、車線を維持するステアリング・アシストには新機軸が盛り込まれております。これまでのソレは、車線の中央付近を維持するとか、車種によってはなぜか左寄りを維持したりで、隣の車線のクルマとすれ違う際にビビることもあったけど、DS3クロスバックの場合、自分でハンドルを調整して、車線内の好きなポイント(左寄りとか右寄りとか)付近を維持してくれる! これは意外とありがたい。
そこまで使いこなす人はメッチャ少ないと思いますが、これは人間の感覚に寄り添った設定で、フランス車的と言えるかも。