メーカーエンジニアは60km/hが燃費に優れるともいうが……
夏休みなどバケーションの季節になると高速道路をロングドライブする機会も増えてくる。高速走行となると、少しでも燃料代を抑えられるよう燃費運転を意識してしまうというユーザーも少なくないだろう。燃料代を抑えることができれば、目的地でご当地の名物を味わう予算が増えたり、もっと遠くまで行けたりするかもしれない。では、高速走行で燃費を稼ぐのにちょうどい巡行速度というのはあるのだろうか?
よく言われることだが、空気抵抗は速度を上げるほど増えていく。正しくは「空気抵抗=空気抵抗係数×前面投影面積×速度の二乗」によって空気抵抗は導かれるのだが、この中で変動するのは速度だけなので、速度による影響が大きいのだ。しかも速度の二乗となっているのがポイントだ。80km/hと100km/hという数字だけを見ると大きく差がないように思えるかもしれないが、それぞれ二乗すると6400と10000である。どれだけ空気抵抗が異なるのか理解できるだろう。
つまり一般論として、高速走行時のスピードは落とすほど空気抵抗を小さくでき、省燃費につながるといえる。だからといって高速道路の最低速度である50km/hで走ればいいというわけにはいかない。自動車メーカーのエンジニアに聞くと「60km/hが航続距離をもっとも伸ばせる」ともいうが、周囲に迷惑をかけない範囲で燃費に有利な速度をキープすることが肝要だ。