ライバル徹底研究の新型タントは最強? それでもN-BOXが優っているところ6つ (2/2ページ)

全席の乗り心地やラゲッジの使い勝手にも配慮が行き届いている

4)シートの掛け心地

 タントの前席は、お尻部分がスッと沈み込み、体重で体をサポートしてくれる軽自動車としてはかなりコストのかかったソファ感覚の新シートを採用している。

 が、後席を含め、シートクッションの厚み感、掛け心地そのものでは依然、N-BOXが微差ではあるものの、リードしている印象だ(個人の感想です)。

5)ラゲッジフロアの低さ&使いやすさ

 ホンダは軽自動車でもミニバンでも、センタータンクレイアウトを生かした低床フロアが自慢。N-BOXもラゲッジフロアの地上高は480mmと、劇的に低い。重い荷物の出し入れや、ペットの乗降もラクラクである。一方、新型タントは先代同等の約590mmと、110mmほど高い。

 590mmそのものは、世界のステーションワゴンのラゲッジフロア地上高平均値の約630mmよりはずっと低いとはいえ、N-BOXが優位であることには変わりない。

 ちなみに後席を格納したときのフロア高もN-BOXは約590mmと極端に低いものの、新型タントは約710mmとかなり高い。これはラゲッジスペースを拡大し、スライドドアから荷物を出し入れするときに大きな差となるだろう。

6)ACC(アダプティブクルーズコントロール)

 高速走行中に前車に追従走行してくれるACCを軽自動車で初採用したのがN-BOX。約35~115km/hの速度域でしか作動しないものの、高速巡航、高速ロングドライブで役に立ってくれることは間違いなしだ。

 一方、新型タントのACCは軽自動車初! の渋滞追従型で、0~115km/hで作動してくれる。ならば、ここでは新型タントが優位……と言いたいのだが、じつは新型タントでACCが付くのは販売比率が小さいターボモデルのみ。

 機能としては新型タントが間違いなく上だが、設定としては今のところ、N-BOXに分がある。ホンダは新型N-WGNから軽自動車にも渋滞追従型のACCを用意しているから、近いうちにN-BOXへの採用も期待していいだろう。

 ちなみにターボモデル同士で比較すると、新型タントが優位。N-BOXのターボエンジンはアクセルの踏み始めにゴロゴロした感触があり、ロールも比較的大きめ。それにACCの作動範囲の広さを加味すれば……となる。ACCの機能が本当にうれしく思えるのは、高速の渋滞時だからでもある。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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