軽自動車にあっても高級セダンに非装着の不思議! クルマのリヤワイパーの採用基準とは (1/2ページ)

採用基準はコストではない

 リヤウインドウを拭くワイパーというのは不思議なもので、軽自動車でさえ装備していると思ったら、トヨタのスポーツカー「86」や高級セダン「クラウン」にはついていなかったりする。つまりコストの問題で装備に違いが出るというものではなさそうだ。では、その採用基準のようなものはあるのだろうか?

 雨天などの後方視界を確保するという一点に絞っていえば、リヤワイパーは付いていたほうが有利だ。そのなかで、テールゲートが垂直に近い形状のハッチバックやミニバン、SUVといったクルマにリヤワイパーが装備されていることが多いのは、クルマの構造からリヤウインドウが汚れやすいから。単に雨粒が付くだけでなく、リヤタイヤで跳ね上がた泥などの汚れがリヤウインドウについてしまうと後方視界が極端に悪くなる。そのためリヤワイパーは必須といえる。

 一方、セダンやクーペといったトランクを持つ形状のクルマは、それほどリヤタイヤでの跳ね上げによるリヤウインドウの汚れは気にならない。もともと後方の視界というのは左右のドアミラーで確認するのが基本であるし、雨粒が付着している程度であれば後方にクルマなどがいるかいないかくらいの判別は十分に可能だ。そのためセダンでリヤワイパーを持つクルマは少なくなっている。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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