軽自動車でさえ続々と標準装着され始めている
ところが現実はどうだろうか。アクア、ヴィッツ、パッソ、ポルテ&スペイド、ルーミー&タンク、シエンタ、ヴォクシー/ノア/エスクァイアは、すべて前述のリリースを配信した後に発売されながら、サイドエアバッグおよびカーテンシールドエアバッグを全グレードに一切標準装着していない。全グレードがオプション設定だ。
「交通事故死傷者ゼロの実現に貢献するため、交通安全への幅広い取り組みを強化していく」トヨタの志は立派だ。12年後の今、この言葉の重要性はさらに重みを増している。
それなのに、志の実現に向けた第一歩となる「サイドエアバッグおよびカーテンシールドエアバッグを、乗用車系車種を対象に、全車に標準装着する」約束は破られてしまった。12年を経過した今でも守られていないのは困る。これでは公約を守らない政治と一緒で、ユーザーの信頼を失い、交通事故死傷者ゼロの実現にも逆行する。
ちなみに日産デイズ、三菱eKクロス&eKワゴン、ホンダN-WGN、ダイハツ・タント、ダイハツ・ミラトコットなどは、価格の求めやすい軽自動車でありながら、サイドエアバッグ&カーテンシールドエアバッグを全グレードに標準装着した。トヨタが約束を果たさない間に、最新鋭の軽自動車に抜かれつつある。
トヨタの日本国内におけるシェアは、新車市場全体で約30%、小型/普通車市場に限れば46%に達する。トヨタは日本の自動車業界のリーダーだから、ほかのメーカーは皆トヨタを見習う。約束を率先して果たしていただきたい。