見た目は「ポルシェ911」と同じなのに「スーパー」じゃない
6)ポルシェ914
これは定番だろう。エンジンはVWビートルの水平対向4気筒で、出力はたったの80馬力。ワーゲンポルシェと呼んでいたが、あくまでもポルシェではあったので、スーパーカー扱いはされていた。ちなみにフロアが腐りやすかったり、普通にコーナーを曲がっていてもいきなりスピンするなど、完成度は今ひとつだった。
7)ポルシェ912
その数字からもわかるように、911の廉価版。つまり水平対向4気筒となる。ビートルのものではなく、ポルシェ356のものをデチューンして90馬力を発生していた。もちろん見た目は911と同じ。(写真はポルシェ912E)
8)ロータス・エラン+2
ヨーロッパは誰が見てもスーパーカー。その余波で注目を浴びたのがエラン。こちらも文句はあるまい。ただ、4シーター版、つまり+2は間延びしているだけでなく、リトラクタブルのフタが四角でかっこ悪かった。さらに1990年に突如復活したいすゞ製のエンジンを積んだり、FFだったりと迷走。最後は韓国の起亜がビガートとして販売したのもよくわからなかった。
9)マトラ・シムカ・バゲーラ
フランスだってスーパーカーはある、ということで注目されたのが、こちら。ミッドシップだし、デザインもスーパーカーそのもの。ただし、スーパーカーのメイン市場であるアメリカをそもそも意識していなかったこともあり、商業的には失敗だった。ちなみに横3人がけというユニークなシート配列だった。
10)フィアットX1/9
ミッドシップ、リトラクタブルライト、2シーターなど、スーパーカーの要件は満たしていただけに、当時の小学生にとっては立派なスーパーカーだった。しかし小排気量でパワーはあまりなく、作りも実用車のパワートレインをひっくり返したものだったりと、実際は気軽に楽しめるライトウエイトスポーツ程度だった。
以上、10台を挙げてみたが、当時すでにイマイチ感はあったかもしれないが、それでもみんな熱狂していたのはいい思い出。今見ても、スーパーカーになりきれなかった部分が逆に魅力だったりする。いずれにしても1960年代から1970年代はいい時代だった。