電圧を高くすることで電力を大きくできる
欧州車を中心に、48Vのマイルドハイブリッド車が増えそうだ。これに対し、日本車ではスズキのマイルドハイブリッドが12Vで、マツダのSKYACTIV-Xに搭載されるのは24Vであるらしいと伝えられる。
48Vは、12Vの4倍の数値で、それだけ電圧を高くすれば、同じ電流を使っても電力(ワット数)を大きくできる。
世界的にSUV(スポーツ多目的車)が人気を得ているが、いずれも車体が大きく、また4輪駆動などであるため(2輪駆動車もあるが)、車両重量は2トン近くの重いクルマになっている。欧州のプレミアムブランドと呼ばれる高級車も、全体的に大柄で重い車種が多い。そういうクルマでは高出力の動力源が必要で、同時にまた、欧州では2年後の2021年から二酸化炭素(CO2)の排出量規制が強化されるので、燃費性能もおろそかにはできない。
もはやエンジンの効率向上だけでは欧州のCO2排出量規制を達成することはできず、また高効率で知られるガソリンエンジン技術においても、トヨタの40%以上の熱効率を実現したエンジンも、マツダのSKYACTIV-Xで使われる火花点火制御圧縮着火(SPCCI)も、モーター駆動を併用しなければ十分な動力性能が得られなくなっているのである。