ガラリと変わった走り! クラシックカーの本質を引き出すタイヤ
走り出してまず感じたのは、クルマからのきしみ音が非常に小さくなったことです。これまできしみ音が聞こえてきたのは、足まわり方面からでした。いずれは手を入れなければならないサスペンション系のブッシュ辺りから「ギシギシ」と聞こえていましたが、タイヤが替わったせいでギシギシの音とゴツゴツした乗り心地が明らかに少なくなったのです。恐らく80扁平タイヤのサイドウォール部の柔らかさなどが路面からの入力を吸収してくれているせいではないかと推測しました。
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交差点でステアリングを切ってみると、今度はクルマのノーズがスッと向きを変えながら自然にロールしてくれ、クルマが生まれた頃の年代にあった動きをしてくれます。また路面の小さな凹凸や荒れた路面では、やはりタイヤ側が嫌な振動や音を吸収してくれます。大きなギャップや凸凹を乗り越えたとき、これまでの55扁平のタイヤではステアリングに「ガツン」とキックバックがあり、ギャップの凹凸以上に運転する私の心をヘコませていましたが、それが解消されました。街なかでの低中速域は思っていた以上の走りの違いに、思わず「にっこり」と笑みが浮かぶほど印象がガラリと変わり「優しく柔らかい」走りとなったのです。
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しかもワインディングでも、このタイヤの素直なハンドリング性能はそのままです。コーナーに差し掛かりステアリングを切ると、確かなグリップ感でステアリング操作に正確に反応してくれます。かといって、先ほど感じたような路面の凹凸を吸収するようなサイドウォールの柔らかさはコーナリング時にはなくなり、見事にドライバーの意志に忠実にクルマを動かせてくれます。
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では首都高速や高速道路はどうなるのかと思っていたら、市街地での乗り心地の好印象をそのまま高速でも享受することができたのです。それどころか高速走行時のほうが、G.T.SPECIAL CLASSICに替えた恩恵が大きかったほどです。
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というのも、これまでとくに首都高などでの轍でハンドルが顕著に取られることが多く、15インチホイールと55扁平タイヤの外観のカッコ良さとのトレードオフとしてはその走りのマイナスの代償が大きすぎる気がしていたのです。だからこそ、ノーマルチックな14インチのスチールホイールと80扁平を選択してみようと思い至ったわけです。轍や傾斜でハンドルが持っていかれる、いわゆるワンダリングは極めて少なくなりノンパワステでもステアリングを握る力を普段通りに楽にできるようになりました。
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また、首都高速や高速道での繋ぎ目での突き上げ感もこれまでは閉口するほどあらわに「ドーン」とクルマ全体で感じていましたが、そこでの衝撃が「トン」に変わったのです。走行中のタイヤノイズも、これまで気にならなかったボクシーなデザインが生み出す「風切り音」の方が耳障りに感じたほどです。
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クルマ好きたるもの、見た目での往時の佇まいを最大限に大事にしながら、まったく走りでも妥協することなく旧車趣味を楽しみたいですよね。そのようなときに吟味してチョイスして欲しいのが、そのクルマの時代や性能にマッチしたタイヤ選びです。旧い車に似合う当時のトレッドパターンを持ちつつ、現代の技術を取り入れながら再現したG.T.SPECIAL CLASSICは「見て良し、走って良し、履いて良し」のクラシックカーユーザーには超オススメのタイヤだと言えます。
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装着タイヤ:YOKOHAMA G.T.SPECIAL CLASSIC Y350(ジーティースペシャル クラシック ワイサンゴーマル)
サイズラインアップ:
145/80R10 69S
165/80R14 85S
175/80R14 88S
165/80R15 87H(全4サイズ)
試乗車:FIAT 124 Sport Coupe(1974年型)
装着サイズ:175/80R14(前後)
【詳しくはこちら】
問い合わせ:横浜ゴム株式会社 0120・667・520(受付時間 平日:9:00~17:00)
https://www.y-yokohama.com/product/tire/historic/