1種類なら入れ間違いも減るはず……なぜガソリンにはハイオクとレギュラーが存在するのか (2/2ページ)

日本のハイオクガソリンは欧州と比較してもオクタン価が高い

 実際、欧州では3種類のガソリン規格がある。こちらもオクタン価でいうと92/95/98となるが、彼の地でのスタンダードとなっているのはオクタン価95で、これが日本でいうレギュラーガソリン感覚で売られている。しかし、日本のレギュラーガソリンはJIS規格を確実に満たすためにオクタン価90となっている。そのため欧州系の輸入車は日本ではハイオク仕様となってしまう。オクタン価100の燃料は、ある意味ではオーバースペックだったりするのだ。

 ちなみに、オクタン価というのはガソリンエンジンがノッキング(異常燃焼)を起こしづらいという目安になるもので、オクタン価が高ければエンジンの圧縮比を上げることができ、熱効率に有利となる。そしてノッキングを起こしづらいハイオクガソリンを使うことで、圧縮比を上げたり、点火時期を早めたりできるのでパワーアップにつなげることができる。

 ただし、レギュラーガソリンとハイオクガソリンの持つ熱量自体は同じである。そのため、レギュラー仕様のエンジンにハイオクを入れてもパワーアップするわけではない。ただし、ハイオク仕様のエンジンにレギュラーガソリンを入れると、ノッキング防止のために点火時期を遅らせたりするのでパワーダウンしてしまうのだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

新着情報