お得に買えるのみならず点検や車検もスムースに
地域によっては、オンラインを活用し、新車登録を一括申請する「OSS(ワンストップサービス)」を採用している。このシステムは車両登録業務の迅速化をはかるために導入されたのだが、そこは日本のお役所仕事らしく、いままでの紙ベースでの申請に比べ、余計に時間がかかってしまうとのこと。過去には、月末に車庫証明など登録申請に必要な書類をかきあつめて、運輸支局でドッキングさせて大量に申請する、「月末集中登録」なども頻繁に行われたが、いまでは昔ほど柔軟に動くこともできないようなので、月の中旬に身動きがとれないのはかなりきついようである。
そのほかにも、世間には夏休みムードが蔓延しているので、消費者の購買意欲がなかなか高まらないなど、メンタルな部分もある。また一部では「8月は値引きが渋くなるから売れない」との噂も存在するようだが、それはあくまで都市伝説であり、購買意欲の減退とディーラーの稼働日数不足が、販売台数の少ない原因の大きな部分を構成しているのである。
車両本体値引き(車両本体価格からの値引き)は、いまどきは値引き拡大余力がそれほどないので、年間を通じて値引き額が大きく乱高下することはない。そのため8月でも、ディーラーがお盆休み直前のタイミングで契約に持ち込むつもりで商談を進めれば、「休み前にノルマ達成のメドをつけたい」とするセールスマンやディーラーの心理をつくことになるので、用品値引きや下取り査定額の上乗せなどの周辺値引きによる支援で、値引き総額の拡大も十分に引き出すことが可能。
お盆休み直前にフラッと新車ディーラーを訪れ、「新車欲しいなあ」光線を発しておけば、お盆休み明けには「特大Aホット客(商談客のランキングのなかで、短期間での受注可能確率がもっとも高いお客のこと)」扱いとなり、短期間でほぼ言い値に近い(常識的な範囲で)好条件を引き出すことも可能。8月は新車購入ではネガティブに捉えられがちなのだが、逆にねらい目でもあるのだ。
また納車後のことを考えても、3月に新車購入すれば、同じタイミングで購入したひとがかなり多いので、定期点検や車検を受ける時に整備工場への入庫が殺到し、予約が取りにくいといった話もよく聞くが、8月ならばそんな心配も無用となる。近々新車購入を検討しているひとは、是非試しに8月にディーラーを訪れてもらいたい。