単なる飾りではなく静粛性など役割は多い
最近の新型車では、ボンネットを開けてもエンジンを直接見ることができるクルマは減っている。さすがに軽自動車ではエンジン本体が見えることが多いが、リッターカーから上のクラスになるとエンジンカバーを備えているクルマが増えてくる。いまやエンジンカバーは欠かせない装備だ。はたして、エンジンカバーを装着している意味や狙いは、どのようなものがあるのだろうか?
エンジンの上に樹脂製のカバーを付ける狙いはいくつかあるが、もっとも効果がわかりやすいのはエンジン由来のノイズが室内に侵入するのを防ぐことだ。静粛性アップの機能を与えられているエンジンカバーは多い。実際、エンジンカバーを外すだけでノイズがグッと大きくなって耳に届くことは誰でも確認できるだろう。とくに直噴エンジンでは高周波のノイズが出やすく、燃料系にも吸音材を巻くなど対策しているが、エンジンカバーによるノイズ低減効果は無視できないといえる。アイドリングストップからの再始動などエンジンからのノイズが発生しやすいのも昨今の特徴だ。ノイズを抑えるためにエンジンカバーの裏面に静音効果のある部品が取り付けられていることもある。