室内空間は大型車をしのぐことも!
3)室内空間はコンパクトカーの比ではない
とはいえ、限られた車体寸法だから、室内が狭いのではないか? なんていう心配もあるでしょうけれど、それは時代錯誤。とくにハイトワゴン系、モアスペース系などと言われている、日産デイズやホンダN-BOXなどの室内空間は、はっきり言って、コンパクトカー以上、どころか、頭上方向、後席ひざまわり空間では大型車をしのぐこともあるからびっくりです。
たとえば、身長172cmのドライバー&乗員基準で、日産デイズの運転席背後のスライド機構を備えた後席のひざ回り空間は最大約32cm(2019年7月上旬現在、クラス最大)。マツダCX-5が同19cm、コンパクトカーで異常に後席ひざまわり空間が広いフィットで27.5cm。
いやいや、それぐらいで驚いている場合ではありません。ホンダN-BOXだと、後席ひざ回り空間はシートスライド最後端位置で驚愕の約45cm! これはステップワゴンの2列目席の最大値、約36cmを大きく上まわるのです!
広く、窓面積の大きい軽自動車の場合、後席の空調環境が気になりますが、一例として、スズキ・スペーシアや三菱ekスペース、日産デイズルークスには後席天井部分にスリムサーキュレーターを装備するなどの工夫も施され、そのあたりの快適性にもしっかり配慮されているのです。
4)荷室の使いやすさも抜群
限られた全長、室内長のなかで、どうしてそんなパッケージング、室内の広さを可能にしているかといえば、ズバリ、キャビン優先の考え方。つまり、荷室の奥行きが犠牲!? になっているのです。ホンダN-BOXの荷室奥行きは、後席が後端位置だと約33cm、日産デイズも38.3cmでしかありません。
ただし、後席を前方にスライドすることで、N-BOX、デイズともに約54cmまで拡大できるのですから、十分でしょう。さらに、後席を格納したアレンジでは、ハイト系、モアスペース系ならではの室内高の余裕によって、自転車など大きな荷物の積載も可能なのですから便利です。
5)先進安全支援機能も充実
軽自動車は、今や先進安全支援機能も充実しています。自動ブレーキはもちろん、デイズには日産自慢の同一車線半自動運転技術のプロパイロットやヘルプネットのSOSコール、N-BOXにはACC(アダプティブクルーズコントロール/現時点で渋滞追従機能なし)も備わりました。
スズキのスペーシアなどには、上級車でもまだ普及していない、後退時踏み間違いブレーキサポートまで用意されているのです。「最近の軽自動車は高額になった」という感覚は間違いではありませんが、そうした安全性能・機能などが満載されているのですから、しょうがないとも言えるのです。
今後は、軽自動車にも歩行者や自転車を認識する自動ブレーキ、前後踏み間違いブレーキサポート、そして渋滞追従機能付きACCが普及してくると思われます。軽自動車だからこそ、そんな先進安全支援機能が不可欠ですからね。