高額の高級車がなぜバカ売れ? トヨタ・アルファード&ヴェルファイアが成功したワケ (2/3ページ)

シートバリエーションの豊富さと装備の充実度も完璧

 その理由は明快だ。いかに高級サルーンが立派でも、乗降性、室内空間には圧倒的な差がある。アルファード&ヴェルファイアの場合、大開口スライドドアのステップ高は約350mmと低く、そこから約10cm高いフロアには、階段を1段上がるような姿勢で、じつにスムースに乗り降りできる。開口幅も2列目席の仕様によって異なるものの、約780mm前後もあるのだから、快適だ。

 しかも、2列目席は8人乗りのベンチシートはともかく、7人乗りのキャプテンシートはエグゼクティブラウンジ、エグゼクティブパワー、リラックスキャプテンの3種類を用意。

 身長172cmの乗員基準で、2列目席のひざ回り空間はそれぞれ約460/510/510~870mm(エルグランド最大430mm)もあり、頭上方向にしても255~270mm(エルグランド250mm)もあるのだから、狭さとは無縁。

 テーブルやUSBコンセント、ハイブリッドにはAC100V/1500Wコンセントまで用意されるのだから、移動するオフィス、控室として使え、便利このうえない。

 エグゼクティブパワーシート以上なら、旅客機のビジネスクラス、新幹線のグランクラスに匹敵する豪華な居心地さえ味わえるのだ(エグゼクティブパワーとエグゼクティブラウンジのシートは振動吸収ダンパーが入っていても、重く、重心が高いため、路面によってひじ掛けの振動が気になることもあるが……)。

 さらに、予約ロック機能を備えた世界初のスマートエントリー&プッシュスタートシステムや2列目席のパワーオットマン、快適温熱シート、LED調光機能付き読書灯など、VIPや芸能人の移動空間としてふさわしい機能、ホスピタリティが整う。もちろん、後席用モニターの用意もある。

 もちろん、一般ユーザーも気になる先進安全支援装備も今では充実。トヨタセーフティセンスが標準装備されるほか、Tコネクトナビゲーションによるオペレーターサービス、エルグランドにはないヘルプネット=SOSコール(救急車、ドクターヘリのGPSによる遠隔自動手配などのサービス)までそろうのだから、「安心感」に関しても最強である。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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