最新のクルマでもウォームアップは必要
タイヤの表面温度や内圧、ダンパー内のオイル、ブレーキローターとブレーキパッド、触媒、トランスミッション本体とミッションオイル、デフ本体とデフオイル、各種の油圧系、ベアリング、ゴムブッシュなど。これらの部品もそれぞれ適正な作動温度にならないと、クルマのウォームアップが終了したとは言い切れない。
そして、さまざまなパーツの摺動部、運動部がすべて温まるためには、止まったままエンジンをかけていただけではダメ。実際に走り回ってこそ、はじめて「暖機運転」といえるわけだ。
したがって、最新のクルマだろうと古いクルマだろうと、エンジンを筆頭に車体の各部が適正温度に達するまで、大人しく走る、正しい意味での「暖機運転」は必要。
一方で、停車したままアイドリングをかけ、エンジンだけを温めるやり方は、はっきり言ってナンセンスであり、まったく不要といっていい。
辞書を引いても、「運転」とは「電車・自動車・汽車・汽船などをあやつって、(動力で)走らせること」とあるように、まさに暖機運転もハンドル、ペダル、シフトレバー等を優しく操作しながらゆっくりクルマを走らせ、車体全体の動くパーツが作動温度に達するように運転することだということを覚えておこう。