トヨタの工場で生産するならスープラが復活しえなかった可能性も
あくまで一般論ですが、こうした生産委託では生産量について最低保証をするなどして生産台数を安定させることも、ままあります。
ですから新車効果による増産に対応するのではなく、あくまでも市場調査などによって見込まれる台数をある程度の期間で作るという生産計画になりがちともいえます。
そうした事情もあって、新型スープラは納期が伸びているからといって、そう簡単に増産することができないというわけです。
では、最初からトヨタで作っていれば、こんな状況にはならないのでは? と思うかもしれませんが、残念ながら現代のスポーツカー市場というのはトヨタの工場で生産するのは難しい規模といえます。
ですからBMWと協業したのでしょうし、生産をマグナ・シュタイヤーに委託したのです。おそらくトヨタで作ることを大前提としたら、新型スープラのプロジェクトそのものが成立しなかったでしょう。
逆にいえば、少量生産が得意で、自社ブランドを持たないフレキシブルな完成車メーカー「マグナ・シュタイヤー」があったからこそ、スープラは復活できたといえるかもしれません。