それぞれのグレードに対するオススメユーザーとは?
3)RZ(690万円)
新型スープラの最上級グレードで、エンジンは直列6気筒3リッターターボを搭載する。SZ-Rの2リッターターボに比べると実用回転域の駆動力が高く、直列6気筒らしく高回転域の伸びも良い。最高出力は340馬力(5000回転)、最大トルクは51.0kg-m(1600〜4500回転)と強力だ。ノーマルエンジンに当てはめると4.5〜5リッター相当になる。
アルミホイールとタイヤのサイズは19インチで、走行安定性はSZ-R以上に高い。ブレーキユニットもブレンボ製に上級化した。車両重量の増加に伴って、乗り心地はSZ-Rよりも落ち着いている。
RZはブレーキ性能を含めて安定性を総合的に向上させたから、高速道路上で危険に遭遇した時の安心感も高い。乗り心地も快適なので、高速道路を使った長距離移動の多いユーザーに適する。
価格はSZ-Rよりも100万円高く、75〜80万円はエンジンの性能向上(2気筒/1リッターのプラス)に使われる。残りの20〜25万円で装備を上級化した。
3グレードのおすすめユーザー
・SZ:価格が比較的求めやすいので、一般的にはチューニングやドレスアップを楽しみたいユーザーにピッタリ。その一方で、昭和〜平成スポーツカーの味わいも兼ね備える。感涙にむせぶオジサンが続出か!?
・SZ−R:性能的なバランスが最も優れている。4気筒2リッターターボ特有の軽快感があり、峠道の走りを重視するユーザーに最適だ。
・RZ:直列6気筒3リッターターボの高い駆動力と滑らかな吹き上がりが魅力。乗り心地にも、しっとりした落ち着きがあり、高速道路を使った長距離ドライブに適する。ラグジュアリー指向のユーザーにもマッチする。
ベストバイ
3グレードそれぞれが独自の魅力を備える。つまり価格に基づく上下のヒエラルキーではなく、並列の関係にある。
その上で推奨グレードを挙げると、一般的にはRZだろう。「直列6気筒3リッターターボ」は、BMWやメルセデスベンツには用意されるものの、今では得難いパワーユニットであるからだ。「スポーツカーなら一番高性能なグレードでしょう!」という見方も根強い。
この希少性や先入観を抜きにして、スポーツカーの性能バランスだけで客観的に選ぶとSZ−Rになる。