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水没! 踏切で立ち往生! トランク閉じ込め! 覚えておくべき緊急時のクルマからの脱出方法4選 (2/2ページ)

水没! 踏切で立ち往生! トランク閉じ込め! 覚えておくべき緊急時のクルマからの脱出方法4選

ドアの半分まで水に浸かると開く力は5倍も必要!

1)クルマが水没

 7月第一週の九州南部のように、避難勧告が出るほどの大雨が珍しくなくなってきた日本。万が一、道路が冠水したり、川や湖などにダイブして、クルマが水没してしまった場合はどうすればいいのか。

 一番確実なのは、着水した直後にドアを開けて脱出すること。水没したときに怖いのは、ドアの下端よりクルマが沈むと水圧の影響でドアが開けられなくなることだ。

 JAFのテストでは、ドアの高さの半分(約60cm)まで水に沈んでしまうと、ドアを開くために必要な力は、通常の約5倍にもなるという。したがって、ドアが水に浸かる前に脱出するのがベスト。

 ちなみに、スライドドアでも室内の足もとに水が入ってくるぐらいの水深(約90cm、後輪が浮いた状態)では、エンジンの重さでクルマが前傾していることと、水の抵抗でほとんどドアが開かなくなる。やはりドアの下端より水面が低い内に脱出しないとリスクが大きくなることを覚えておこう。

 ドアの下端よりも水面が高くなってしまったときは、窓を開けて脱出する。パワーウインドウの電気系が水に濡れて故障したり、水圧の関係で動かなくなっている可能性ももちろんあるが、まずは窓が開くかどうか試してみることが肝心。まだ窓が開くようなら、そこから車外に出て、ルーフの上などによじ登る。

 クルマが沈むのが早く、ドアも水圧で開かない。窓も開かないというときは、車内に浸水してきた水の高さと、車外の水位が同じぐらいになるのを待って、ドアを開ける。

 ドアが水没しきってしまえば、水の抵抗はあるが、水圧の影響は小さいので、通常よりは重たいにせよ、ドアは開けることができるはず。それでもダメな場合は、窓を割って脱出するしかない。

 ただ、自動車用のガラスはそう簡単に割れるものではない。脱出専用の緊急ハンマーなどを使わないと、女性の力ではなかなか割ることができない。

 JAFのテストでは、ヘッドレストのステー(鉄の棒)やクルマのキー、スマートホンの角、ビニール傘の先端、小銭を入れたビニール袋などで叩いても、女性ではガラスを割ることができなかったというデータも……。そういう意味で、緊急脱出用ハンマーは一本常備しておくと心強い。

 なお、密閉されたクルマはすぐには沈まない。エンジン側から徐々に沈み、水没するまで7分ぐらいはかかるはず。その間脱出しやすいのは、着水直後、もしくはドアが水没しきってからだ。車内と車外に水位のある状態ではドアが水圧で開きにくいので、そのタイミングで脱出するときは、窓から外に出るのがポイントだ。

2)踏切から出られなくなった

 踏切内にいるうちに遮断機が下りてきてしまった場合は、そのまま前進して脱出すればいい。乗用車なら遮断棒は折れずに、バーを押し上げるようにして脱出できる。

 万が一、踏切内でエンジンが止まってしまった場合、MT車ならギヤを1速か2速 、もしくはリバースに入れ、クラッチペダルを踏み込まないでエンジンキーを回し、セルモーターの力でクルマを動かし、踏切から脱出することができる。

 しかし、最近のMT車は安全面からクラッチを踏み込まないとセルモーターが回らないモデルが多数。そうしたMT車とAT車はその手が使えないので、速やかにクルマから脱出し、踏切についている非常ボタンを押し、乗員は踏切の外に出ること。

 電車が当面来ない時間なら、ギアをニュートラルにし、サイドブレーキを解除して、(助けを呼んで)人力でクルマを押す……。その際も、まず非常ボタンを押して、クルマに積んでいる発煙筒を焚いて、故障車があることを知らせるのも忘れずに。

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