幅広い世代のライフパートナーとなる存在に
ダイハツは2019年7月9日(火)、新型「タント」をフルモデルチェンジして発売。報道発表会には奥平 宗一郎代表取締役社長が登壇した。
「1907年の創立以来、多くのスモールカーを生み出してきました。エントリー層、女性、高齢者のニーズに寄り添ってきたからこそ、多くのユーザーに支えられ、軽自動車シェア13年連続No.1となっています。お客さまのクルマに対するニーズ、使われ方は日々変化しています。そうしたなかで、最適なクルマを今までよりもスピーディにお届けするため、新世代のクルマづくり“DNGA”に取り組んできました。その第1弾が、新型タントになります」
「パワートレイン含む、プラットフォームを同時に刷新。『良品廉価』『最小単位を極める』『先進技術をみんなのものに』という3つの価値を提供していきます。キーワードは新時代のライフパートナー。より多くお客さまの生活に役立てていただきたい、そう思い、機能・新技術・デザインまで全方位で進化させました」とコメントした。
タントはダイハツの新世代のクルマづくり「DNGA (Daihatsu New Global Architecture/ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」の第1弾となる新型車。サスペンションや骨格の部品配置を考慮した新しいプラットフォームを開発、搭載している。
DNGAを採用したことにより曲げ剛性を30%向上し、ハイテン材の活用や構造の合理化によって、プラットフォームを含むボディ骨格全体で約40kgの軽量化を実現した。世界初のスプリットギヤを用いた「D-CVT」では低速域でのパワフルでスムースな加速と、高速域での低燃費で静かな走りを両立している。
エンジンも改良を加えた。日本初となるマルチスパークの採用や燃料噴射方法を改良したことで、燃焼効率を向上。自然吸気エンジン(NA)車には軽自動車で初となる平成30年排ガス基準75%低減レベルを実現した。
変わったのはDNGAだけではない。新型タントは「新時代のライフパートナー」をキーワードに、すべての世代のお客様のニーズに応える良品廉価な商品として提供する。
若年層、子育てから子離れ層、高齢者まで幅広いユーザーが安全に安心して使用できるよう、隅々までこだわっている。
そのため、乗り心地の良さも追求した。疲労を蓄積しないよう、部品点数の削減や構造合理化、ハイテン材の採用などにより、足まわり全体で約10kg軽量した。
新型では従来から16mm低床化したことで、子供から高齢者まで幅広い世代に使いやすいよう乗降性と積載性を高めた。タントの特徴である室内空間の広さに加えて、使い勝手をさらに向上。2代目に搭載したピラーインドア「ミラクルオープンドア」を生かし、「ミラクルウォークスルーパッケージ」を実現している。
また、世界初となる運転席ロングスライドシートを採用し、運転席を最大540mmスライドできるようにした。運転席と後席間の移動や、ピラーインドアから運転席へ乗り降りしやすくしている。もちろん安全面も考慮しており、ロングシートスライドはシフトポジションがPレンジの場合のみ作動する。
軽自動車初となる機能も多数搭載した。助手席が半ドアの際に自動でドアを全閉することができる「助手席イージークローザー」やパワースライドドアが閉まりきる前にドアロックを事前予約できる「タッチ&ゴーロック機能」、降車の際に自動オープンの予約ができる「ウェルカムオープン機能」などを採用。手がふさがっている際や、子供や高齢者の力でドアを締めきれなかった際にサポートしてくれる便利な装備だ。