意外にもガチライバルはポルシェ!
そうなるとクローズドボディのライバル車として浮上するのがポルシェ718ケイマンだ。エンジンを座席の後部に搭載する2人乗りのスポーツカーで、ボディサイズはスープラに近い。水平対向4気筒2リッターターボの性能は300馬力/380N・mで、価格は6速MTが680万円、7速PDKが727万2000円になる。スープラRZとほぼ同額だ。
上級の718ケイマンSは2.5リッターターボを搭載して、350馬力/420N・mを発生させる。ただし価格は6速MTが869万円、7速PDKは916万2000円と高くなる。
日本車は前述のようにスポーツカーの車種数が減り、スープラのライバル車も探しにくい。それでもボディサイズやエンジン排気量を考えると、フェアレディZがもっとも近いだろう。エンジンはV型6気筒3.7リッターで、4輪アルミキャリパー対向ピストンブレーキなどを備えるバージョンSが476万640円だ。
この割安感は魅力だが、フェアレディZは発売から10年以上を経過している。走行性能から安全装備まで、今では設計の古さを感じる。
そうなると結局のところ、選択肢は3リッターターボで340馬力を発揮するスープラRZと、2リッターターボで300馬力のケイマンに絞られそうだ。豪快な加速と良く曲がる操舵感、充実した安全装備などを重視するならスープラになる。
一方、正確に反応するステアリング/エンジン/ブレーキ、滑らかな挙動変化など、緻密で上質なクルマ作りを求めるならケイマンが推奨される。ケイマンでは装備から内外装の色彩まで、ユーザーの好みに応じた細かなオーダーも可能で、自分だけの1台を作り上げられる。こういったポルシェのブランドを感じさせる販売方法も魅力だ。
それにしても、スポーツカーの品ぞろえが乏しい日本車において、スープラは貴重な選択肢となった。価格は高めだが、ポルシェやBMWと比べたくなる魅力を備えている。