同じサイズのゴムの輪なのになぜ? タイヤ銘柄によってグリップ力やウエット性能が異なるワケ (2/2ページ)

タイヤのラベリングはわかりやすい指標となる

 このなかで、ウエット性能だけは犠牲にしてもらいたくない。日本の場合、年間の3分の1は雨の日で、しかも雨の日の事故は晴れの日に比べ4倍も多く発生しているというデータがあるからだ。

 とくに「転がり抵抗性能」と「ウエットグリップ性能」の両立が難しいエコタイヤに関しては、業界団体のJATMA(一般社団法人日本自動車タイヤ協会)が、タイヤの性能がひと目で分かるラベリング制度を導入しているので、これを見比べてみてほしい。

 このJATMAの低燃費タイヤのラベリングでは、ウエット性能をa~dまで4段階で評価。「d」は論外として、「a」と「c」でも、ウエット路面での速度100km/hからのブレーキングテストでは、制動距離がクルマ1.5台分、約16%も違いがある。

 ウエット性能で決め手となるのは、ゴムの柔らかさ(コンパウンド)と溝の深さとカタチ(シーランド比が大きく、しかも太い縦方向のストレートグルーブが多いほど排水性はいい)。もうひとつ、空気圧が適正であることも肝心だ。

 またどんな高性能タイヤでも、摩耗が進めば溝が浅くなってウエット性能は低下してくるし、年数が経てばゴムが硬くなって性能は落ちる。そういう意味で、定期的なメンテナンスと交換も忘れずに。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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