これほどの性能が味わえるなら燃費など気にしない
現行国産モデルのなかから選ぶとしたら、まず筆頭に上げられるのは日産GT—Rだ。現行のR35型は登場からすでに12年が経過しているが、いまだに速さにおいてGT-Rを上まわれる国産車は登場していない。電動化や今後の自動運転化など自動車メーカーが取り組まなければならない問題の多さや複雑さを考えると、もう純粋にガソリンエンジンでGT-Rの性能を上まわれるクルマは登場することはないだろう。
GT-Rの燃費値は最新のWLTCモード届け出値でみると7.8km/L。市街地モードで5.2km/L、高速道路モードでは9.4km/Lとなっている。実際に試乗テストした際に極めて近い数値だ。一般道でGT-Rのフル性能を引き出させることはないのでサーキット走行をしない限り3km/L台まで落ち込むことはないが、それでもハイオク燃料で5km/L台の実用燃費というのは通常受け入れられない。
しかしGT-Rに授けられている走行性能とそれを可能とするメカニズムや伝統、所有する歓びなどと相殺すれば納得できてしまうわけだ。GT-Rの価格は1300万円前後でほかのスーパーカーと比べても極めてリーズナブル。庶民にはそれでも手の届かない価格に違いはないが、価格、性能、燃費のバランス的には優れている。
ホンダNSXもまた優れた性能を誇る国産スーパーカーで、その燃費性能はJC08モードで12.4km/Lとされる。実際に高速道路主体で燃費を計測したことがあるが9〜10km/L台で推移し、スーパーカーとしては優れていると感じた。
NSXは駆動用電動モーターを備えたハイブリッド車でもあるが、モーターをパワーアシストとして多くを使用しバッテリー容量も小さく燃費を大幅に向上させることはできていないのだが、スーパーカーとしてみると非常に低燃費といえる。
しかしサーキットなどへ持ち込めば当然3〜5km/L台にまで落ち込む。価格も2300万円オーバーと立派なスーパーカー価格なので、一般人には縁遠いクルマに違いないが、そのステータス性の高さと個性的で独特な走行感覚で燃費の事を意識させないのだ。
トヨタ車のなかではGRMNの86やヴィッツも走りがよく、燃費のことを忘れさせてくれる感動があった。