獰猛さと上品を兼ね備えたハイパフォーマンスクーペ
ビー・エム・ダブリューは、最上級クーペの8シリーズをベースに、高性能モデルやレーシングカーの開発を担うBMW M社が手がけたBMW M8の日本国内での受注をスタートしたことを発表。ユーザーへは12月以降に順次納車を開始していくという。メーカー希望小売価格(10%税込み)は、ベースモデルのM8が2230万円、よりハイパフォーマンスなM8コンペティションが2433万円となる。
最上級クーペに相応しい高級感などはそのままに、Mモデルの証となる専用アイテムをプラス。ダブルバーキドニーグリルや、ボディ側面、フロントフェンダーに備わるエアブリーザーに装着されたMギルなどによって、スポーティさがグッと高まっている。
今回のM8から、Mモデルに初めて採用されたのがM専用インテグレーテッド・ブレーキ・システムだ。アクセル全開時の高負荷条件下でも、安定して優れた制動力を確保するというもの。ブレーキの作動/ブレーキブースター/ブレーキ制御の各機能をコンパクトに統合。非バキューム式のブレーキブースターと採用したことで、約2kgの軽量化を実現した。
ブレーキ圧は電動アクチュエーターによって生成されるため、より素早く正確な制御が可能となっている。また、ブレーキの減速度はドライバーが任意に調整することができ、ドライバーの好みに合わせて細かなセッティングをすることができる点にも注目だ。それ以外にも、快適性重視の「コンフォート」と素早い反応重視の「スポーツ」というふたつの制御モードが用意されており、ブレーキの踏み込み量も変更することが可能。どのような状況下においても、ペダルの感覚を一定に保って確実なブレーキ操作が行える。
搭載する4.4L V8ツインターボエンジンは、ベースモデルが600馬力(441kW)/6000rpm、最大トルク750N・m/1800-5600rpmを発揮。M8コンペティションでは625馬力(460kW)/6000rpm、最大トルク750N・m/1800-5800rpmとなる。サーキット走行を想定し、オイルパンのフロント側には小型のオイルチャンバーを装備。高い横G発生時にオイルが偏ってしまっても、小型チャンバーからオイルを追加供給できるという。
600馬力オーバーの高出力を確実に路面へ伝えるため、BMW M5で初採用したインテリジェント4輪駆動システム「M xDrive」を搭載。エンジントルクを前後へ無断階かつ可変的に配分し、さらにアクティブMディファレンシャルによって後輪トルクの左右配分を最適化。これにより安定したトラクション性能を発揮する。M5同様に、4WDモード、より後輪駆動に近い4WD SPORTモード、DSCをオフにした際に選択可能となる、2WDモードを備えている。
また、Mモデルはエンジンレスポンス、ステアリング、サスペンション特性をドライバーの好みに合わせて任意で設定できるが、M8では新たにブレーキシステムの設定が追加された。加えてセンターコンソールにはM MODEボタンを追加。これにより、メーターやヘッドアップディスプレイの表示方法や運転支援システムの介入レベルをROAD、SPORTのいずれかのモードへ変更可能になった。ROADは基本的なシステムはすべて作動し、SPORTはドライバーの任意設定が行える。
インテリアはMモデルのフラッグシップに相応しい、高級感とスポーティを融合した仕立てに。Mレザーステアリングには赤色のMボタンを装備。ベース車はクリスタルのシフトレバーは、M8ではMのロゴが刻まれている。また、カーボンファイバー製のインテリアトリムに加えて新開発のスポーツシートを採用。ヘッドレストにはMのロゴがデザインされた照明付きバッジが備わっている。