優れた重量バランスが軽快かつオンザレールのハンドリングを実現
走り始めはEVとしてスムースに動きだし、市街地の流れに乗るのもラクだ。電動モーターのトルクの立ち上がりは力強く発進や加速時は特に頼もしく感じる。アクセルを全開にしなければそのままEVとして約30kmを走行できるという。速度も125km/hまでカバーしているので高速道路もEVのまま走れるわけだ。
センターコンソールのドライブモードトグルスイッチを操作すれば「Pure」「Hybrid」「Individual」「Power」そして「Constant AWD」の5モードから選択可能だ。Hybridモードを選択すればエンジンも併用しながらの走行となるが、エンジン始動時のショックが小さく、遮音も優れていてエンジンの作動に気がつかないほうが多いだろう。
Constant AWDは常にAWDとなり、雪道や雨天など低ミュー路走行時に積極的に選択すべきモードだ。さらにバッテリーセイブモードが別にありバッテリー残量を残してHV走行するとか、充電モードを選択すれば走行中はもちろん停止中でもエンジンを回して発電し充電することが可能だ。じつはこのT6ツインエンジンには充電システムとしてチャデモの急速充電に対応するジャックが装備されず、200Vの普通充電にのみ対応している。これはCISGによる積極充電を活用し、環境に優しく使い勝手上の不便も感じさせないという配慮の現れだ。
サスペンションはボルボ特有の横置き配置のリーフスプリングをリヤに採用。約70kgの重量があるリヤモーターと車体中央の約113kgのバッテリー重量が良好な前後左右重量配分と低重心化を実現していて、ライントレース性に優れ安定していながらも軽快感のあるハンドリングフィールに仕上がっていた。
ステーションワゴンとして非常に大きな容量の荷室を備え、後席の足もとスペースも驚くほど大きく室内は全席快適だ。セダンのS60も今後登場させられる予定で、今年もボルボから目が離せない状況が続きそうだ。
ちなみにボルボは2019年以降に発売するすべてのボルボ車をMHV(マイルドハイブリッド)、PHEV、EVなど電動化する計画でICE(内燃機関)のみを搭載した車の歴史的な終焉になると発表していて、2021年までには5台のピュアEV を登場させるとしている。