登録車はプリウスがトップもノートの逆転が予想される
プリウスは1月以外、つまり2月から5月は1万台以上を販売。それに対し、ノートは3月までは1万台以上販売していたのだが、4月、5月は失速して1万台以下となっており、勢いはプリウスのほうがあるようにみえる。
ただ、トヨタのウェブサイトにあるプリウスの納期目処を見ると、注文してから工場出荷までに2~3カ月かかるとなっている。この状況はマイナーチェンジ以降続いているので、バックオーダーがまだあるならば、それを6月に吐き出すことで販売台数を稼いで上半期販売トップとなることもできる。しかし逆にマイナーチェンジ以降のバックオーダーがすでになくなりつつあれば、6月に新規受注した分は8月以降の工場出荷となるので、6月の販売台数(当月登録分のカウントとなる)としての積み増しがなかなかできないということにもなりかねない。
一方のノートは、上半期締めとなる6月の増販期には、一般ユーザー向けの販促強化のほか、ディーラーなどの自社名義での登録(自社登録、後に未使用中古車や短期間使用中古車として放出されることが多い)、レンタカーやカーシェアリングなどフリート販売の積極化で台数の積み増しをしてくるのはほぼ間違いない。状況としてはノートがやや有利というか、最終的には上半期販売ナンバー1の座につく可能性が高いように見える。
ほか気になる対決をみると、日産セレナとトヨタ・ヴォクシーでは、1月から5月までの累計販売台数では、セレナ4万5296台に対し、ヴォクシー4万308台でその差4998台なので、上半期ミニバン販売台数ナンバー1はセレナが逃げ切りそうな雰囲気となっている。
SUVについてはトヨタC-HRが2万7879台なのに対し、ホンダ・ヴェゼルが2万7302台で、その差507台でデッドヒート状態となっている。だが、4月10日にトヨタRAV4がデビューしており、C-HRはRAV4と販売が割れて6月も販売台数の上乗せが思うようにいかないともいえる販売環境にあるので、ヴェゼルがSUV上半期販売台数ナンバー1になる可能性が高いといえよう。
6月は暦年での上半期締めであり、四半期決算の締め月でもあり、そして夏商戦前半戦の月ともなっている。各メーカー系ディーラーともにかなり積極的な販売攻勢を仕掛けてくるので、何が起こるかわからないといってもいいタイミングだ。そのため5月時点で各カテゴリーにおいて販売台数トップ争いでデッドヒートを展開しているクルマは値引き条件の拡大も期待できる。とくにノートは登録車での上半期販売ナンバー1のタイトルへの固執はプリウス以上といえるので、かなりの好条件が期待でき、ねらい目といえるだろう。