技術はあれど資源不足でクルマが電動化できない! ZEV規制で始まる自動車メーカーの生き残り戦争 (1/2ページ)

電動化を進めようにもバッテリーに必要なリチウム資源が足りない

 中国や欧州を中心に、電動化の動きが活発だ。また米国も、カリフォルニア州をはじめとする10の州でZEV(ゼロ・エミッション・ヴィークル)規制が推進されている。しかし、一部北欧を除いて新車販売台数に占める電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の割合は数%前後という水準にとどまっている。それでも、今後、欧州でCO2排出規制が厳しさを増すと、PHEVやEVの販売台数が伸びていくだろう。日本でも、2030年を目途に、現在に比べ燃費を3割以上改善しなければならない規制が行われようとしている。

 一方で、EVやPHEVに搭載される永久磁石式同期型モーターで使われるレアアースや、リチウムイオンバッテリーで使われるリチウム資源には限度があり、現在、世界13億台といわれる自動車すべてを電動化するのは難しい状況にある。高性能化や安全性で期待される全固体バッテリーも、素材はリチウムなので課題は同じだ。そのうえ、全固体バッテリーが実現すれば、船舶や航空の分野も電動化されると見る人もある。

 それでも、エンジンの燃費を改善するだけでは気候変動を止められない水準に達しているのが現実だ。海の温度が上がり、気流の流れが変わり、異常気象が異常ではなく常態化する事態はすでに始まっている。国土交通省では、豪雨に備えた治水行政の見直しを行うという。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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