ハイブリッドの「効果」は燃費だけじゃない
4)スバルXV(12.52km/L)
確かに、12km/L台の実燃費性能は、現代のハイブリッドカーとして物足りない。が、水平対向エンジン+モーターによる上質で濃厚極まるエンジンフィールはスバルの実用車ベスト、いや、国産車ベストと言えるもの。HV感の強さはスバル車随一で、走りの上質感は、ある意味、燃費とバーターとも言えそうだ。
もちろん、モード燃費を見る上で、XVがXモードを備えた悪路走破性抜群のAWD専用車であることも忘れてはいけない。走りの良さからすれば、実燃費が12km/L台でも十二分に納得できると、個人的には思っている。
5)日産エクストレイルHV(13.52km/L)
エクストレイルのハイブリッドシステムは1モーターゆえ、あくまでアシストとしてのハイブリッドシステムだ。軽快にしてタフな悪路走行性能からすれば、まずまずと納得しなければならない数値と言えるかもしれない。とはいえ、ほぼ同じような実燃費性能を持つのが、巨大なマツダCX-8のクリーンディーゼルモデルと聞くと、ちょっと物足りなく感じられるのも事実。
6)トヨタ・ハリアーHV(14・32km/L)
ギリギリ15km/Lに届かなかったハリアーHVだが、もちろん、走り方によっては15km/Lを超えるだろう。実際、個人的なデータでは、市街地30%、高速70%の走行で、ガソリン車(2WD)が約13km/L、HV(4WD)が約15km/Lを記録したこともあった。
ハイブリッドモデルはエスティマ同様、全車E-FOURの電気式4WDという点を考慮すれば、なかなかの燃費性能と言うことができる。
ハイブリッドカーは燃費がいい……それは燃費性能に特化させたプリウスやアクアのようなハイブリッドカー(専用車)のことであり、ミニバンやSUVのような重く大きな車種の場合、実数値そのものはびっくりするほどではない。とはいえ、大きく重く、燃費に不利な車種だからこそ、ガソリン車に対する燃費の優位性に着目すべきではないか。
そして、繰り返しになるが、一部のハイブリッドカーに装備できる、車内外で家電品を使うことができるAC100V/1500Wコンセントは、ガソリン車にはない、非常時にも役立つ便利装備であることも忘れてはならない。
世界的にクルマの電動化が一気に進んでいく時代だ。その第一歩の選択として、燃費性能の程度はともかく、ハイブリッドカーを選ぶ意味は十分にあると思う。