異なる4WDシステムを設定! 運動性能にトコトンこだわった新型トヨタRAV4のメカニズム (4/4ページ)

TNGAの恩恵は運転しやすさにも直結

 TNGAによるパッケージングの最適化は、エンジンやバッテリーなどの重量物の配置を適正化するとともに、インテリアではドライバーを中心に乗員全員が快適に乗車できる着座位置や視界特性の設定もその目的のひとつとなる。

 新型RAV4では、ドライバーの運転操作がしやすくなるよう、ドライビングポジションを最適化するとともに、各種の操作性を向上させている。まず、ステアリング関連では、ステアリング回転軸の傾斜角を寝かせることで、ステアリングの上部を握ったときでもシートから肩が離れにくくなり、セダンと同等のポジションを取れるようにした。さらにテレスコピックステアリングの調整範囲を60mmに拡大し、ドライバーの体格に応じたポジション調整を可能にしている。シフトレバーもよりドライバーに近づけて配置し、操作性を高めている。

 アクセルペダルは、オルガン式を採用。ペダル操作時の足首の角度を最適化し、力が入れやすく、また高速道路などでの定速走行時でも疲れにくいペダル配置としている。踏力(操作力)をブレーキペダルと同等にすることで、踏み替え時の操作性を向上させている。

 そのほかドライビングポジションに関連するところでは、フットレストを大型化し、取り付け角度や形状を最適化している。これまでフットレストというと「ただ左足を置く場所」と認識されていたところがあり、実際に足を載せてみると、面積が小さくて足がはみ出すというケースや、いざ踏ん張ろうと思っても力が入らないものもあった。そこで、RAV4のフットレストは面積を拡大し、足を置く面の角度を右側に傾け、さらに足裏(靴)の形状に合わせて湾曲した形状とした。足を載せるときも外すときも、カーペットやダッシュボードに引っかからないよう、自然に足を伸ばしたところにフットレストを配置している。

 ドライバーの快適性ということでは、ドライビングポジションとともに重要なのが視界特性だ。シンプルな水平基調のダッシュボードは上面を従来車より低く設定。さらにフロントガラスから見えない場所にワイパーを配置することで、グラスエリアを拡大。ドアミラーはドアマウントとし、三角窓を設けて死角を減らしている。また、リヤクオーターウインドウの下端をウエストラインに近づけたほか、ドライバーから見たCピラーの断面を小さくし、さらに後席のシートベルトがグラスエリアに入らない高さに設置することで、後側方の視界特性を向上させている。

 ドライバーの快適性とともに、後席の快適性・居住性についても、乗員がゆったり座れるよう工夫されている。後席着座時には足先が前席の下に潜り込むが、前席のシート座面の下端を高くし、さらにシートバックの背面を湾曲形状とすることで、足入れスペースを確保している。また、フロア面をフラットにすることで、足首が自然な角度に保たれる。さらに後席シートの着座位置を前席シートと縦方向にほぼ同じにすることで、足をまっすぐにシート下に入れることができる。こうした工夫によって長時間乗車でも疲労の少ない着座姿勢を実現しているのだ。

 安全性能については、予防安全パッケージのトヨタセーフティセンスを全車に装備。自動ブレーキ機能のプリクラッシュセーフティ、高速道路のクルージングをサポートするレーントレーシングアシスト、自動追従でドライバーの負担を軽減するレーダークルーズコントロール、自動でヘッドライトのロー/ハイを切り替えるオートマチックハイビーム、標識を認識して表示するロードサインアシストも備えている。インテリジェントクリアランスソナー、リヤクロストラフィックオートブレーキ(いずれもグレード別設定)は、駐車場などで、車両前後の静止物や後側方からの接近物を警報・表示で知らせるだけでなく、自動でブレーキを作動させる機能も備えた最新型のシステムを搭載している。


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