ベテランから新人までが違いを実感!
日々、クルマに関わる最新情報の記事を更新しているWEB CARTOP。情報を集めて記事化するために、4人の編集部員は毎日のように、スタッフカーのルノー・メガーヌSport Tourer GTで取材へと飛び回っている。
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このスタッフカー、ワゴンボディのもつ優れた積載性、ダウンサイジングターボのトルキーな特性と燃費性能、さらには4コントロールと呼ばれる4WSシステムによるハンドリングと街中での取り回しのよさなどが魅力だ。GTと付く名のとおり、スタッフの長距離移動を支えている。
今回、そんなメガーヌのタイヤ交換を行うことになった。編集部が試したのは、ヨコハマの最新モデル、ブルーアースGTである。果たして何が変わったのか? 4人の印象をお届けしたい。
◆編集長 石田貴臣
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長年この業界で、それこそ100を超えるようなさまざまなタイヤとクルマの組み合わせに乗り、走りにおけるタイヤの重要性はわかっている。編集部員に対しても、常々、タイヤでクルマの走りは変わるとも断言してきた。それでもなお、今回装着したブルーアースGTには驚かされた。大げさではなく、スタッフカーが停めてある駐車場から動き出し、極低速の数十メートルでも違いが感じられたのだ。
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なにしろ当たりが柔らかい。トレッド面がギュッとアスファルトに噛んでいるような感触で、交差点ひとつ曲がっても、タイヤと路面の状況がわかるような印象だ。これは大きな安心感に繋がる。
加えてコンフォート性も明らかに向上した。トレッドだけでなく、縦バネも含めた当たりの柔らかさはシートやステアリングを通じての快適性の向上にも寄与している。
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勘違いしてほしくないのは、この当たりのソフトさが不安定さとはまったく別モノだということ。たとえば夏タイヤからスタッドレスに交換した直後にドライ路を走行すると、誰もが感じるであろうグニャっとしたものとは違う。それが証拠に取材で訪れたワインディングでは、ステアリングの切り始めから、しっかりノーズが反応し、綺麗にラインをトレースして曲がっていく。当然トレッドブロックのヨレが大きいタイヤや、横剛性が低いタイヤではこうはならない。
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じつはステアリングの切り始めの初期応答性は、タイヤ側に求められる要件が非常に厳しい。とくにメガーヌの場合、4WSシステムを搭載しているために、前後タイヤが逆位相に切れるような速度域では、そもそもヨーの立ち上がりが早い。つまり運動性だけが高いタイヤだと過敏な動きになりがちだ。だがブルーアースGTの場合、転舵速度、舵角なりに過敏すぎず遅れることもなくジワッとノーズが反応する。だから長いワインディングを走っても疲労が少ない。
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また、梅雨時期ゆえに期せずしてヘビーウエットのワインディングも走行したが、上り下り問わず、連続するコーナーの切り返しでも突然挙動が乱れることはなく、高い安心感をもたらしてくれた。
◆ベテラン編集部員 原田貴俊
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一般的に低燃費タイヤといえば、安全に走れるグリップ力を確保しつつ、転がり抵抗などを低減して燃費に貢献している。つまり、ワインディングなどを気持ちよく走りたいと思っている人にとっては少々役者不足となってしまう。しかし、その相反する事象をうまく両立させているのが、ヨコハマタイヤのブルーアースGT。
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ブルーアースといえば、低燃費を追求したヨコハマタイヤを代表するブランドだ。低燃費性能や静粛性を極めるべく進化をしているブランドだけに、正直今回ルノー・メガーヌに装着すると聞いたときは頭の上が「?」マークだらけに。このメガーヌはルノースポールが手がけたスポーティモデルで、走りにこだわっているモデルだからだ。
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もともとメガーヌに純正装着されていたタイヤは、欧州の高速道路でのハイスピード走行でも安心したグリップ力を得られるような性能を見せてくれていた。これがどれほどの変化となるのか気になっていたのも事実だった。
交換後、クルマを走らせるとクルマが軽く感じる。これは低燃費性能を追求するべく転がり抵抗を低減させていることも貢献しているだろう。わずかなアクセルワークで加速していくといったら大げさだが、それくらいの印象を持った。
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その違いは高速道路でも感じた。とくに道路のつなぎ目などを通過した際の音が、軽くなったのだ。ロードノイズも、心なしか静かになったように思える。これまで以上にクルマがスーッと加速しているかのうようだ。
では、肝心のグリップ力はどうなのか? これが思いの外しっかりとした手応えを感じさせる。高速道路のジャンクションなどでも、狙ったラインをキレイにトレースしてくれたのだ。
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ブルーアースGTは、普段は街乗りがメインでたまに高速道路やワインディングを使って旅行に行くというクルマ好きにはピッタリのタイヤだと思った。今回試したルノー・メガーヌとの相性は抜群。日本の道にマッチしたタイヤと言えるだろう。