新型MAZDA3が採用したマツダ・ハーモニック・アコースティックスは高級オーディオにも負けない上質さ (2/2ページ)

今後の車種にも展開されていくことになるだろう

 なお、新型マツダ3にはこのほかメーカーオプションで、インパネセンタースピーカーとリヤサテライトスピーカー、サブウーファーを加えた12スピーカー構成の「BOSEサウンドシステム」が設定されている。

 発売前の報道向け取材会では、この両者を聞き比べる機会に恵まれたのだが、マツダ・ハーモニック・アコースティックスは周波数域ごとの強弱がないフラットかつ自然な音色で、とくに運転席モードでは極めて繊細な楽器のニュアンス、ボーカルの息遣いまでクリアに聞き取れる。まさに原音忠実再生、理想のオーディオと評するに相応しい仕上がりで、これならば聴く人もジャンルも問わず、より心地良く音楽を楽しめることだろう。

 一方でBOSEサウンドシステムは、比較的フラットだったこれまでのマツダ車と比較すると例外的に、一方でほかの自動車メーカーに採用されているものとは同様に低音が強すぎる傾向。オールシーズンタイヤで荒れた路面を走行するなどロードノイズが出やすい場面、あるいはハードロックやラップ、ヒップホップなど重低音を響かせたいジャンルの曲を聴くときなどに適しているというのが率直な印象だ。

 逆に言えば、マツダ・ハーモニック・アコースティックスは、オーディオメーカーのブランド名を掲げたプレミアムサウンドシステムさえも凌ぐクオリティを備えている、そう断言していい。

 なお、マツダ3のマツダ・ハーモニック・アコースティックスには、パイオニアのスピーカーシステムが用いられているが、マツダ開発陣によれば「スピーカーなどに高価な素材は使っていない」とのこと。

 また、マツダはマツダ・ハーモニック・アコースティックスを開発するにあたり、「マツダ独力でスピーカーレイアウトを検討し、オーディオサプライヤーに依存しない、マツダ車共通のコンセプトを実現」することも、指針のひとつに掲げている。

 ということは、今後発売される新型車にもマツダ・ハーモニック・アコースティックスが採用され、その際にスピーカーシステムのサプライヤーが代わったとしても、マツダ3と同様のHi-Fiサウンドが得られる可能性が高いというわけだ。じつに心躍る話ではないか。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

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