【試乗】メルセデス・ベンツ初のEV「EQC」はSクラスの重厚感とAMGのハンドリングをもつ! (3/3ページ)

ライフサイクルで考えればEVが環境に最高の選択とは言い切れない

 ならば環境にも優しいEV一択! と決めつけるのはいかがなものか。公式資料にはこんなメッセージがトップページに記載されている。『EUレギュレーションでの電費は20.8–19.7kWh/100km』『Combined CO2 emissions: 0g/km』と。つまり100km走るためには約20kWhの電力を消費するがCO2はゼロと。確かに走るクルマとしてはゼロエミッションだが、電気を作る段階でCO2はどのくらい排出されるのか。ノルウェーでは水力発電が主力なのでCO2は限りなくゼロに近いだろう。だが、石炭発電で電気を作る国ではどうなのか。

 メルセデスの発表資料の中にも、20万km走ったときの総合的なCO2負荷は、ライフサイクルで計算すると水素燃料電池車がもっともCO2が少ないと算出していた。EV一色というのではなく、今あるガソリンとディーゼルエンジンの効率をアップさせたプラグインハイブリッドもまだ重要な技術だ。それは今後EQブランドが、EVのEQとPHEVのEQPowerの二本立てで展開することで証明されるだろう。

 とはいえ、プライス次第ではEVという選択が賢いのでは、とも思えてきた。なにせEV嫌いの私ですら欲しいクルマの一台としてEQCを挙げたいからだ。年央には日本でも受注を開始する予定だという。


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