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積極的アプローチの目的は? ルノーがゴーン氏が去った日産との統合を急ぐ理由 (2/2ページ)

積極的アプローチの目的は? ルノーがゴーン氏が去った日産との統合を急ぐ理由

慎重だったルノーの態度が変わりはじめた

 ゴーン元会長逮捕の直後、ルノー側の姿勢は慎重だった。ところが、2019年3月頃からルノー側の日産に対する態度が変わりはじめた。

 資本も含めてフランス政府とのつながりが強いルノーとしては「下手な出方をすると、国家の名誉に関わる」という意識が強いはず。そのため、日産に対する内部調査をしっかりと行ったうえで、日産の弱みを洗い出し、それから統合案を一気に提示してきたと見るべきだ。

 あくまでも私見だが、フランス政府としては、そもそもゴーン元会長が「邪魔」だったのではないだろうか。ベルサイユ宮殿での「実質的な誕生パーティ」など、派手な演出を繰り広げるゴーン元会長からの誘いに対応してきたが、「最近、少々度が過ぎるのでは?」という気持ちを、フランス政府高官たち、またマクロン大統領をはじめとする官邸幹部らが抱きはじめていたはずだ。最悪のケースとしては、フランス政府側が収賄などの疑惑を検察側に持たれることも考えられる。

 そうした「負の蓄積」を一気に清算するためにも、日産というゴーン体制を一掃することが先決だったのだと思う。ゴーン元会長は、日産のトップからルノーのトップへ成り上がったのだから。

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