隣同士の県なのに大きな差! ガソリン価格が地域によって異なる理由とは (2/2ページ)

今後ガソリン価格は均一化されていく可能性も

 一方で、ロングドライブをしたりすると高速道路のSAにおけるガソリン価格が高めになっていることを肌で感じるだろうが、あれは競争相手がいない、その場における独占企業であることから自分たちで価格を決めることができるという面もある。もちろん、インフラとして営業しなければいけないので、そのための人員確保など求められている要素が異なるという面もあるだろう。

ガソリン価格

 ところで、「ガソリンが安い」というとホームセンターなどに併設されているオリジナルブランドのガソリンスタンドを思い出す人もいるだろう。ノーブランドのガソリンといっても、国内の製油所で精製されているのは同様で、けっして粗悪品というわけではない。インターネットの普及に合わせて、かなり有名になった「業転玉(ぎょうてんぎょく)」という業界用語を目にしたことはないだろうか。これは、各社の余剰在庫をそうした業者に通常よりも安値で卸すことを指す言葉だ。

 ただし、ガソリンの元売り各社は統合整理されてきている。いまや日本に石油元売りは3社(グループ)しかない。「エネオス」ブランドに統一化を進めているJXTGグループ。2019年4月に経営統合した出光昭和シェル、そしてコスモ石油だ。これによって製油所も整理され、生産性も向上している。こうした動きは、ガソリン価格の違いを生む要素を減らしていると捉えることもできる。ある地域における独占化が進むと、価格決定権を売り手が握ることになる。ネット販売などにも不向きなガソリンという商品だけに、安売りしているガソリンスタンドを見つけることは難しくなっていくかもしれない。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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