モーター駆動のノートe-POWERには過酷なステージ
ラリーの行程は、本拠地が置かれたハイランドパークみかわを中心に13.5㎞の「西谷」と14.03㎞の「大川嶺」を午前と午後で2度走行し、2日目はその逆走である「西谷リバース」と「大川嶺リバース」を同じく午前と午後で2度走行するシンプルなものだった。
さらに高原特有の涼しさはあるものの、初夏を感じさせるような好天候となり、日中の気温は28℃に到達。SS走行終了後には、前席シート下にあるリチウムイオンバッテリーとDC/DCコンバーターを冷却するためのシステムが作動するほどだった。
そして温度もそうだが、1SSあたり10㎞以上のステージだけで構成された本ラリーはバッテリーの電力で走るノートe-POWER NISMO Sにとってタフな環境となった。
SSスタート時はバッテリーの電力によるパワフルなトルクが役立つ。ラリーのステージ特有のヘアピンのなかにある登りの急坂でも、ノートe-POWER NISMO Sの長所、瞬発的に発揮されるパワーでスムースにクリアできる。
ただ、バッテリーの電力が尽きてしまうと、とくにそれまでパワフルさを体感しているだけあって、ストレートへの立ち上がり具合に物足りなさを感じてしまった。走行モードが6パターン(B/Dレンジ+S/ノーマル/エコモードの組み合わせ)あるため、走り方の好みや電池残量の戦略によって、パターンを変えてみるのもアリだろう。
今回もふたりとも初めて走る道であり、ノートe-POWER NISMO Sが苦手とする長距離SSが続くことに対しドギマギしながらも無事完走。同じくクラスのライバル車がリタイアしたことで6位に入賞。ふたりで初めて表彰を受けることができた!
ドライバーの水原は「今回トータル8本、全SSが10㎞超えで総距離100㎞以上というロングステージ。登りメイン、下りメインとSS毎に特徴が分かれており、クルマには厳しいSSもありました。SSが長いと負担が大きく、いろいろなことが起こります。その車両状況をチームやメカニックに正確に伝えるのもドライバーの仕事。そしてチームやメカニックは、その情報を元に1秒でも速く走れるようにクルマを仕上げてくれます。チームで戦う素晴らしさを感じるとともに、もっと速く走りたいと痛感したラリーでした」とコメント。
CARトップ&キャロッセチームは、ターマックのみの参戦のため全日本ラリー参戦はしばらくお休み。次回は10月に岐阜で行われる第47回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2019。がっつり走り込んでいいタイムが出せるように頑張るぞ!