スマッシュヒットを飛ばした乗用車ベースのミニバンも
4)ホンダ・アコードユーロR&トルネオユーロR
6代目アコードと初代トルネオの兄弟にこの年追加されたユーロRはスポーティながらトルクフルな2.2リッターエンジンを搭載。不快ではないにせよ「硬い、うるさい」というのも否めないそれまでのシビックやインテグラのタイプRに対し快適性にも配慮した、大人向けのスポーツセダンである。
このコンセプトはそれなりに支持され、この次のモデルのアコードにもユーロRは設定されたのだが、現在ホンダのラインアップにユーロRを直接的に引き継ぐモデルがないのは残念である。
5)ホンダ・ストリーム(初代モデル)
ストリームはこの年にフルモデルチェンジされたシビックをベースしたミニバンで、5ナンバーサイズで約1600mmという全高ながら、ちゃんと使えるサードシートを持ち、乗用車並みにしっかり走り、価格もリーズナブルという文句のない商品で、発売から2年ほどは好調に売れた。
しかしトヨタが完全にストリームを意識したウィッシュを出してからはストリームの勢いはパタリと止まってしまい、この点にはトヨタのなりふり構わない脅威を痛感したものだった。
6)スバル・レガシィ(3代目の水平対向6気筒搭載車)
スバルは3代目レガシィのモデルサイクル中盤のこの年にスバルとしては3基目、近年ではスバルとポルシェしかない水平対向6気筒エンジンを新開発し、3代目レガシィのランカスター(現在のアウトバック)に搭載した。
このエンジンは排気量3リッターで、のちにレガシィのツーリングワゴン、セダンのB4にも搭載され熟成を重ねた。しかし2010年代に入ると大排気量マルチシリンダーエンジンは排気量や気筒数を減らしながら同等の動力性能が得られ、燃費の向上も期待できるダウンサイジングターボに移行。スバルの水平対向6気筒もこの流れには逆らえず、残念ながら近いうちに完全に姿を消すことになる。
必要性はともかくとして、日本にもポルシェと同じ水平対向6気筒があったことは記憶に留めたい。