前後に警備がつくパレード走行時は免除される
今年のゴールデンウィークは、天皇陛下の即位に関するニュースで溢れていた。クルマ好きとしては、めったに見ることのできない御料車=トヨタ・センチュリーロイヤルに思わず注目したという人もいたのでは?
天皇陛下は、そのセンチュリーロイヤルの車内から、沿道の人々に向かって手を振ってくださっていたわけだが、よく見るとシートベルトを締めていない……。2008年6月以降、後部座席のシートベルト着用も義務化されたはずだが……。
もちろん天皇陛下が法を犯していることはありえないわけで、陛下がシートベルト着用義務を免除されているのには、法律的な根拠がある。
道路交通法施行令の「座席ベルト及び幼児用補助装置に係る義務の免除」の項に、「自動車に乗車している者の警衛若しくは警護を行うため又は車列を組んでパレード等を行う自動車に係る交通の安全と円滑を図るためその前方及び後方等を進行する警察用自動車(緊急自動車である警察用自動車を除く。次項第七号において同じ。)により護衛され、又は誘導されている自動車の運転者が当該自動車を運転するとき」とある。
天皇皇后両陛下が御料車でお出かけになるときには、つねに御料車の前後を警察車両が守っているため、上記の条件をクリアし、除外規定が適用されるというわけだ。ちなみに御料車にも車検証があり、ナンバープレートもついている。
4台あるセンチュリーロイヤルのうち、両陛下専用のクルマのナンバーは「皇1」。ちなみにアメリカ大統領専用航空機のコールサインが「エアフォースワン」(大統領が搭乗しているときに限られる)として知られているが、センチュリーロイヤルの「皇1」は、さしずめ「ロイヤルワン」といったところか?(公的行事以外でお出ましになるときは、品川ナンバー)
余談だが、センチュリーロイヤルのトヨタ自動車内での車両開発コードネームは「大きな車」だったそうだ。