パワー競争に拍車をかける初の国産ターボエンジン車
■日産セドリック(430)/145馬力(1979年)
1979年に国産車で初めてのターボ、L20ETエンジンを積んだ430セドリックが出てくる。L型エンジンなので、SOHCだったが、2リッターターボで、145馬力・21.0kg-mのスペックを誇った。
■トヨタ・ソアラ(初代 Z10)/170馬力(1981年)
70年代は、パワー競争で日産に押され気味だったトヨタが、1981年に初代ソアラを投入し、国産車トップの座を奪還。
それまでDOHCは小排気量エンジンという図式になっていたのだが、ソアラの5M-GEUは、2.8リッター直列6気筒にDOHCのヘッドを組み合わせる、大排気量+DOHCという必殺技で、一気に170馬力を達成。ライバルたちを出し抜くことに成功した。
■日産スカイラインRS(R30)/150馬力、190馬力、205馬力(1981年~)
一方、日産は1981年に、ケンメリGT-R以来途絶えていた、DOHCエンジンを復活! R30スカイラインに、2リッター直列4気筒のFJ20エンジン(150馬力)を用意した。
その2年後、FJ20にターボを追加したRSターボが登場。これで190馬力に。
さらに1984年にインタークーラー付のターボ「史上最強のスカイライン」によって、200馬力の壁を突破。205馬力、25.5kg-mに!
■三菱スタリオン/200馬力(1984年)
200馬力時代に入ったところで、三菱からも200馬力モデルが出てくる。1984年に日本初の可変バルブ機構「シリウスDASH3×2」を採用したスタリオンGSR-VRで200馬力を実現。このスタリオン、じつは国産初の空冷式インタークーラーを採用したターボ車でもあった。
■日産フェアレディZ(Z31)/230馬力(1985年)
Z31は1983年に登場。新開発のV6ターボエンジン=VG30ETは、国産車の最高出力を更新。230馬力、34.0kgmのハイスペックでライバルたちを引き離した。
■トヨタ・スープラ(70)/260馬力(1988年)
トヨタは、1986年、70スープラに3リッター直列6気筒DOHCターボで、230馬力の7M-GTEを載せる。
そして1988年に全日本ツーリングカー選手権(グループA)のホモロゲーション取得用モデルとして500台限定で販売された、「ターボA」に専用のターボチャージャーを用意して、260馬力までパワーアップ。
ここまでが昭和で、翌年=平成元年=1989年登場のフェアレディZ(Z32)が、最初の280馬力モデルというのが、280馬力以前の、主な国産車のハイパワー化の歴史になる。