大規模工事の予算は利用料金から賄われる
首都高の場合は5カ所の造り直しが決まったが、NEXCOの高速道路でも、合計240km(すべて橋梁)を造り直す計画だ。これらの区間は、工事中は片側1車線の対面通行にして片側ずつ造り直す。加えて大規模修繕が1870kmとなっている。期間は2014年から2030年という遠大なものだ。
約3兆円が予定される費用に関しては料金収入でまかなうが、これに関しては余裕がある。NEXCO3社は民営化によるコスト削減が進んだこともあって、償還(建設費の借金の返済)は順調に進んでいる。しかも今後の修繕費を考えて、当初「民営化(2005年)から45年間」と決められていた料金徴収期間を、60年間に延長することが5年前に決定した。
本当のことを言うと、修理は永遠に続くので、料金も永遠に徴収する必要があるのだが、間もなく高速道路の建設が終わることを考えると、2065年には値下げも可能かもしれない(笑)。
現在決まっているリニューアル区間は、建設の古いところが中心だ。名神・東名がその代表。名神・東名は日本の物流の背骨だけに長期間車線規制するのは困難だったが、現在は新名神・新東名がかなり開通しているので、順次工事に取り掛かれるようになった。
リニューアルは、その他全国の路線で行われるが、全体から見るとまだほんの一部でもあり、それほど大きな影響はないだろう。