並んだクルマはビジャビジャ! なぜ上海では一般車がいてもお構いなしに散水車で水を撒くのか?

信号待ちで隣にクルマがいても容赦なく散水しまくる

 上海モーターショー取材のために上海に滞在していた期間は、幸いにも大きな天候悪化もなく、中国にしては珍しく青空が見える日が多かった(EVなどの普及が進む昨今では大気汚染も若干だが改善されているのだろうか?)。

 そんななか上海の街を歩いていると、車道がびしょびしょに濡れているところが目立っていた。「?」と思っていたら、景気良く水をまき散らす散水車がやってきた。なんかこの光景をどこかで見たような……と、記憶を辿っていくとモスクワ市内も散水車が常時走り回っていたのを思い出した。モスクワは散水車数台が景気良く水をまいたあとに、ブラシのついた清掃車が続く、まさに“道路清掃軍団”を構成していたが、上海の場合は散水車が清掃車も引き連れずに、1台が単独で散水作業を行っていた。

 単独とはいえ、その水のまきかたはモスクワのそれとノリはほぼ同じ。複数車線の道路で散水車の横をタクシーや一般車などが走っていてもお構いなしに水をまき続けるので、周辺の車両に洗車場のごとく水がかかっていた。モスクワのときも筆者の感想を述べたが、勝手に自分のクルマに水がまかれるのは論外だし、天気が良いのに道路が水浸しになっていれば、クルマも汚れてしまうので、街の浄化というのは理解したいところだが、日本で同じことをやられたら(景気良くまき散らす)困ってしまうところである。

 トップ写真はたまたま散水車の周辺に一般車などはいなかったが、このあと信号待ちをしていたのだが、その間も隣のクルマに水をかけ続けていた。

 中国の大都市は街の浄化にどこも積極的である。今回紹介した道路への散水業務もそのひとつと考えられる。公園や道路整備も結構なことだが、もともと古くからの居住地域の住民を立ち退かせ、そこに最新のインテリジェンスビルを建てることもよくあること。政治体制が異なるので、住民にはあまり選択肢が与えらずに立ち退きを余儀なくされている様子にも見え、とくに上海は2年おきに訪れることもあり、訪れるたびに街の表情が結構異なっていて毎回驚かされている。

 筆者の常宿は上海の有名観光スポット数カ所が徒歩圏という、市内でも中心地域では数少ない古い住宅街にあるのだが、対面の集合住宅の住民立ち退きが始まった様子。次回の上海ショーは2021年となるが、そのときは今回宿泊したホテルは取り壊されているかもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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