2番目に事故が多いのは19歳以下の若年層
最近話題の高齢ドライバーによる大きな事故の問題。高齢者のドライバーは、ほかの世代のドライバーに比べ本当に事故が多いのか? そしてどれだけ危険なのかを、公的なデータを元に、ひとつ検証してみよう。
まず見てほしいのは、警察庁のホームページに掲載されている、平成30年の「原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当たり交通事故件数」の表だ。
(警察庁HP「平成30年中の交通事故の発生状況」 発表資料)
https://www.npa.go.jp/news/release/2019/20190226001.html
この表で重要なのは、免許保有者10万人当たりの数字なので、若い人の人口が少なく、高齢者の人口が多いというのは無関係で比較できる点。それを踏まえて、一番死亡事故が多いのは、85歳以上の16.27件がダントツ。以下、16~19歳の11.43件、80~84歳の9.21件、75~79歳の6.17件と続く。一番少ない、30代は2.8件なので、昔からいわれているとおり、若者と高齢者の事故が多いのがよくわかる。
さらに、65歳以上を高齢者とするなら、高齢者の人口10万人当たり死者数は全年齢層の約2倍と突出していることが数字に出ている。また、より詳しく高齢者の事故について分析してある「平成29年における交通死亡事故の特徴等について」の資料を見ると、
・交通死亡事故の高齢者の占める割合は54.7%(過去2番目の高さ)
・75歳以上、80歳以上の高齢運転者は、75歳未満の運転者と比べて約2.1倍、約2.9倍高い水準にあり、高齢運転者ほど死亡事故を起こしやすい傾向が続いている。
・75歳以上の高齢運転者による死亡事故は、75歳未満の運転者と比較して、車両単独による事故が多くなっており、具体的には工作物衝突や路外逸脱が多く発生している。
とある。そしてとくに注目したいのは、『75歳以上の高齢運転者は、操作不適による事故がもっとも多い。そのうち、ブレーキとアクセルによる踏み間違い事故は、75歳未満が全体の0.8%に過ぎないのに対し、75歳以上の高齢運転者は6.2%と高い水準にある』というデータだ。