「剛性」と「強度」は必ずしもリンクしない
新車の解説を見ていると、よく目にするのが「ボディ剛性が上がった」とか、「ボディ剛性を高いレベルで確保」といったフレーズ。この剛性という言葉、強度となにが違うのだろうか? いったいなにを表しているのだろうか?
強度と剛性は異なるもので、強度は強さを指す。引っぱり強度というのもよく聞くが、文字どおり力をかけてどれくらいの重さで千切れるかを表すものだ。強度が強ければ千切れにくいし、逆ならすぐに千切れてしまう。
そして剛性は変形のしやすさを示すもので、ボディにはよく「ねじれ剛性」などという言葉が使われる。これはボディを前後で逆方向にねじった際にどれだけ変形するかを示すもので、ねじれやすければ剛性は低く、ねじれにくければ剛性は高いとなる。そのため剛性が高いとコーナーでよじれることなく、安定した挙動でクリアできることにつながる(サスペンションの仕様もあるが)。
強度と剛性の関係で、よく例えられるのはせんべい。せんべいを変形させるのは難しいが(剛性が高い)、力を入れるとすぐにパリンと割れる(強度が弱い)。つまり、強度と剛性は必ずしもリンクしないのだ。